慈濟傳播人文志業基金會
無用の物を重用する (上)

スウェーデンでは子供の時から環境保全の教育が始まる。的確な資源のリサイクル観念は早くからスウェーデン人の心に植え付けられている。

 スウェーデンでは九十パーセントの家庭ゴミが回収されている。これこそ名実共に永続の大国であり、産、官、学が合同で努力した結果、ゼロ化石燃料という美しい未来がすぐそこまで来ている。

 

忙しい市街地では車がひっきりなしに行き交い、会社勤めの人や自転車に乗った学生たちが規則正しく横断歩道を渡っているのが見える。バスが私の前を通っても、鼻につく排気ガスの臭いはしない。繁華街に身を置いていても、口を大きく開けて安心して新鮮な空気を吸うことができる。

ここストックホルムはスウェーデンの首都で、主に十四の島と一つの半島から成っており、七十以上の橋で繋がっている。町はバルティック海とマラーレン湖に取り囲まれ、北のベニスとも称される水の都である。

二〇一〇年、ストックホルムはEUの第一回目グリーンシティーに選ばれ、世界の都市で環境保全の模範となっているが、それにはそれなりの訳がある。公共交通機関を例にとると、市バスはほとんどメタンガスを燃料に使っており、メタンガスは家庭から出る生ゴミや廃棄物から採取されている。そのほかのバスはバイオマスエネルギーを動力に使っている。このほか、縦横無尽に張り巡らされた自転車専用道路は市民の通勤や日常生活の交通手段として非常に利便性が高い。また、車を買う場合は、政府が様々な優遇策を実施し、環境に優しい車の購入を促している。

公共交通機関のほか、もう一つ注目に値する環境保全の取り組みは完璧な資源の回収であるが、それをアメとムチを使って推し進めている。アメとは、資源の回収奨励措置で、市民は空き瓶や空き缶を近くの商店で回収してもらい、商品に含まれていた瓶や缶の代金を受け取ることができる。統計によれば、スウェーデン人一人当たりが回収する瓶や缶の数は百四十六個で、八十八パーセントの鉄やアルミ缶、ペットボトルが回収されて再利用されている。そして、ムチは、所謂「ゴミ税」である。清掃員が市民の家庭ゴミを回収する時、秤で重量を測り、それを基準に毎月のゴミ税が課される。税金負担を減らすために、人々は自然とゴミを分類し、量を減らすようになる。

ストックホルムは国際的な大都市で、人口は多様化していて多い。都市の人口が増えるにつれて問題も増え、とくに環境に関する問題は頭が痛い。どうやって都市の発展と環境保全を両立させ、グリーンシティーの名声を保つか、ストックホルムは引き続き難しい挑戦に立ち向かっている。 

環境と経済の両立

 

整然と並んだ住宅ビルや区画整理された住宅街の道、緑豊かな公園の緑地や花壇の景色。これらはジャーワ地区が人に与える第一印象である。ジャーワは古い地区で、一九六五年から一九七五年にかけて、住宅不足を解消する目的で造られた。当時の建材は今ほど環境に配慮しておらず、住民は八十パーセントが移民で、失業率も高かった。

ストックホルム市政府はその町を二〇五〇年にはゼロ化石燃料の街とすることを決意した。市は「永続ジャーワプロジェクト」を始動させ、現地の古い住宅を建て替え、経済、社会、環境面で永続する町を建造しようとしている。

プロジェクトに参加する団体は多方面に渡っており、市、建設会社、地元住民団体などが参加して、討論を通じて一歩ずつ、住民が理想としている街を造ろうとしている。家屋の建て替えによって現地のエネルギー消費が五十パーセント下がったことが建設後に証明されている。省エネとCO2削減のほか、永続ジャーワプロジェクトは再生可能エネルギーシステムを確立することで、当地区の建物が省エネだけでなく、エネルギーを供給できるようになる。

「ほとんどのアパートの屋上にはソーラーパネルが取りつけられ、電気とお湯を供給しています。そして、この煙突状のものは空気清浄機の排出口で、空気に含まれる熱を貯めることができます」。地域のエネルギーテクノロジーを担当するアニー・アーンストロームは、屋上で私たちにエコ設備を一つひとつ紹介した。

屋内に入ると、永続ジャーワプロジェクトによるエコ関係のアイデアが随所に見られた。例えば、公共の場や台所、浴室では省エネに役立つLEDが使われ、自動節水や節電の機能が蛇口や冷蔵庫についている。住居の窓は特殊な二重構造になっており、真空断熱の効果で外の冷気を遮断すると共に室内からは熱を逃さない。エコ生活は不便に思うかもしれないが、ジャーワ地区はその懸念を払拭している。毎日家庭で抑えられたエネルギー消費分量を累積すると膨大な数字になる。

リサイクルと省エネ、CO2削減の目的が達成された。経済と社会面において永続ジャーワプロジェクトは実施可能な解決方法を提供している。

「永続ジャーワプロジェクトが園芸や警備、清掃などの分野で多くの雇用機会を生み出しました。ここのアパートは全て賃貸で販売はしません。家賃は月額三千クローネ(約四万円)からです」と責任者のヘレン・ラーソンが言った。

住居と雇用の機会を提供するほか、住民がジャーワ地区が美しく思え、ジャーワ地区に対する貧民窟という印象を拭い去るためにも、計画的に広い緑地や色とりどりの花を植えた花壇を設置したのだ、とラーソンが付け加えた。また、住民に多様な生活機能を提供するため、屋外バスケットコートや屋内プール、スーパーマーケットなどの施設を設けたほか、子供たちが無料で通える学校もある。屋内に戻ると、アーンストロームはもう一つ巧妙に設計されたあるものを紹介した。

「この壁に取り付けられているものは実はゴミ箱なのです。蓋を開ければ、家庭ゴミを入れることができます」と彼女はゴミを入れる動作をした。

その変わった装置の後ろには家庭ゴミを集めるための複雑なパイプが隠されている。その奇抜なシステムを提供している会社は、スウェーデンで有名な資源回収業者エンバックである。

(つづく)

 
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