慈濟傳播人文志業基金會
団結して互いに愛を
ラテンアメリカのメキシコは台湾と同じく環太平洋地震帯に位置する。十八年前、台湾中部大地震が発生した際、救済経験の豊富な「メキシコモグラ隊」が台湾へ救助支援に来た。二○一七年九月、今度はメキシコが立て続けに強震に襲われ、慈済人が支援に駆けつけた。
 
二〇一八年の正月を迎える前、十三カ国から来た百人近いボランティアと医療スタッフは、一万世帯に物資の配付と施療を行った。三カ月間の実地調査期間中、慈済人は勝手の分からない被災地で、入り組んだ路地裏に被災者を訪問し、物資の配付と施療を行う会場を探していた。一度は膠着状態に陥り、被災者が「慈済は援助の約束を果たさないのではないか」と疑うことを慈済ボランティアは心配した。
 
ところが、普遍的に貧しいメキシコの人々の楽天的で素朴な性格が慈済ボランティアを奮い立たせた。例えば、彼らのお祭りである「死者の日」には、亡くなった親族を追悼するとともに、歌い踊って生命の延長を祝う。死者は永遠に親しい人の記憶の中に生き続け、離れることはないと信じている。
 
慈済人がボランティア活動に誘うと、彼らはこぞって参加してくれた。被災者リストの再調査の時には被災者の家まで道案内をしてくれ、同胞の被災者を両手を広げて抱きしめた。物資の配付会場では、スペイン民謡の替え歌を披露し、歌を通じて慈済ボランティアとの間に熱い友情が生まれ、悲しい雰囲気を喜びへと変えた。
 
カナダに長年在住しているメキシコ人芸術家、ロドリゴも、慈済の救済支援活動に参加した。負傷者を治すことはできないが、被災者の声に耳を傾け、励ました。慈済の和やかな奉仕精神に魅せられ、彼も慈済に加わった。
 
メキシコの現地ボランティアは、支援チームが帰国した後も、まだ支援を受けていない被災者の調査を続け、次の配付活動を計画した。貧困とは物資の欠乏だけを言うのではない。物資は持っていなくとも、生活が簡単で、欲求の少ない人は、逆に欲望に束縛されることなく、元より備わっている心の力を発揮できることを、慈済ボランティアは目の当たりにした。長年メキシコの貧困を研究してきたアメリカの人類学者、オスカー・ルイスはこう指摘している。「物質的水準が高くないメキシコ人は、逆に経済が発展した国の人よりも精神的に豊かである」
 
「共に大愛をもって衆生に付き添い、あらゆる行動で大地を護る」が二○一七年の慈済歳末祝福会のテーマである。広大無辺な生命共同体の下では、元来人と人との間に地位の差はなく、団結して互いに愛し合うべきである。これが私たちが共有する価値観である。人は誰でも人助けをすることができ、一人一人の力を結集すれば、大衆の志は強固なものとなって、苦難や痛みに喘ぐ人を慰めることができる。
(慈済月刊六一五期より)
NO.257