慈濟傳播人文志業基金會
隔たりをなくして共通意識を持つ
人通りの激しい台北駅ロビーでは、休日になるとあちこちで外国人労働者が集まって台湾の人と仲良くしている賑やかな光景を目にすることができる。ことさら目を引くのは、慈済ボランティアが健康診断コーナーを設置し、彼らに健康診断を勧めていた光景である。
 
これは北区慈済人医会が提供している活動で、二〇〇四年より十五年間持続しており、凡そ二ヶ月に一回行われている。政府機関と共同で、台北駅が決まった場所になっている他、徐々に屏東、高雄など外国人労働者の多い自治体で行われるようになり、今では南投の移民収容所でも行われている。
 
一九八〇年代から台湾の国民所得が増加すると同時に産業構造が変わり、労働集約型伝統産業で必要とする人口は減少したが、それでも相変わらず労働力は不足に傾いた。相対的に安い労働力を求める為に、台湾は遂に一九九〇年から外国人労働者を受け入れ始めた。
 
外国人労働者は東南アジア諸国からが最も多く、去年末には七十萬人を突破した。平均すると台湾に住む人の三十四人に一人が外国人労働者になる。
 
外国人労働者は、家庭や施設での介護の仕事、建築現場、製造業、漁業の働き手となり、少子化と高齢化の台湾社会において大きく貢献をしている。しかし、社会階級や文化の相違の状況下、外国人労働者の労働条件は相対的に厳しく、健康面でもリスクが大きくなっている。
 
彼らと雇主は法に従がって健康保険料を納めているが、医療の受診状況は台湾労働者に比べると明らかに少ない。労働時間が長い上に決まった休みもなく、更に仕事がない時など、様々な要素が重なって医療保障を得るのが難しくなっている。
 
今期の主題報道にあるように、慈済人医会の施療では多様な診療科を提供して、たまにしか無い休日を押して来る外国人労働者の待ち時間を短くするようにしている。東南アジアの留学生も含めて中国語が話せる人は通訳を申し出る他、仲介業者が外国人労働者を連れて診察に来たり、ボランティアを申し出る人もいる。
 
一般的な西洋医学以外に心身医学科及び漢方科も増設し、より多くの選択肢を提供している。文化的背景の違いから診察者が少ない産婦人科の場合、医師の問診の後にボランティアが付き添って診察や詳細な検査を行う。
 
外国人労働者の施療は、実業家で慈済ボランティアの黄秋良の義父を介護していたフィリピン籍のペムの提案の下に企画された。ペムは何度も黄秋良について慈済の活動に参加しており、国際人医会がフィリピンで施療を数多く行ってきたことに感謝すると共に、偶然に外国人労働者の嘆きを話したのがことの始まりだった。
 
施療に参加した薛俊福医師は、故郷を離れて異郷の見知らぬ家庭で働く外国人労働者を尊重すると共に関心を抱き、互いに隔たりなく共通意識を持つことで、相互福祉を促進すべきだと言った。
(慈済月刊六二八期より)
NO.269