慈濟傳播人文志業基金會
買い物袋の循環使用
素晴らしい思い付き・道を切り開くきっかけ
 
地球を愛する人々は共通の智慧と認識を持っているが、実行するとなると往々にして面倒くささと不便さを感じて疎かになりがちだ。数人の若者はアイデアとハイテクを組み合わせ、「ユーバッグ」と名付けた環境保全運動で以て、「プラスチックの使用を減らす」きっかけとなる道を切り開いた。
 
買い物してレジに向かう時になって、家にとっておいた買い物袋をまた忘れてきたことに思い当たる人はいるだろう。結局「幾らかお金を出して、数回しか使わないレジ袋を買おうか?それとも環境保全を貫くために両手で物を抱えて帰ろうか?」と迷う。
 
二〇一三年、数人の大学生とサラリーマン、建築士が循環して袋を使用する運動を始めた。台北市のシェアバイクシステム「ユーバイク」の概念に倣って「ユーバッグ」と名付けたその運動は、インターネットのプラットフォームを通じて提供者と消費者と店舗とを結びつけた。今日現在既に朝食屋や本屋、花屋、クリーニング屋、レストランなど様々な店が参加しており、人々に買い物の利便さとプラスチックレジ袋の使用減の双方を提供している。
 
●パン職人の陳ユージン(ひへんの下に立でユー、謹のごんべんをおうへんにしたジン)(左)は袋の循環使用計画に参加し、環境保全と利便さの双方を実践している。既に165の店舗がこの行動に参加している。
 

家に溜めるよりも みんなで使ってもらおう

 
「どんな家庭にも使わない袋が幾つかはあるはずです。もし、それらをユーバイクのようにA地点で借りてB地点で返すことができれば、袋は流通するようになり、新しく使い捨てのプラスチックレジ袋を使用することもなく、使用を減らすことができるはずです」。発起人の一人である呂シュエンヂ(くさかんむりに宣でシュエン、くさかんむりに止でヂ)はユーバッグ・チームが始まった六年前のことを話してくれた。「当時、台湾大学の『異なる見方クラブ』が誰もが興味を持っている問題に対して解決策を出してもらうというワークショップを立ち上げたので、私たちのチームはプラスチックレジ袋を減らす対策について考えました」。
 
ユーバイクのような自転車のシェアがスムーズに行われているのは、管理する側が常に各地域の全てのステーションの状況を把握しているからである。あそこはもう直ぐ満杯になり、ここは数台しか残っていない、というようにはっきりと状況を把握し、直ちに自転車を配分しているのだ。ユーバッグの運営も同じような形だが、シェアバイクのように膨大な完備された情報系統や専門の人員の後ろ盾があるわけではない。六、七人のボランティアは若くてやる気満々だが、経験と資源に不足しており、チームは先ず小さな区域または小規模な活動から始めることにした。
 
「初めは三峡の北大団地から始め、店舗を一軒ずつ回り、二十数軒が参加してくれることになってから袋の寄付を募集しました」。まだ大学生で記録係の翁聖ウェイ(やまへんの下に威)はチームの先輩たちがどのようにして第一歩を踏み出したかを語ってくれた。当時、ボランティアたちの考えは至って単純で、借りた袋を返してもらえるようにと、お客さんは店から袋を借りる時に預かり金を十元払い、元の店か他の店に袋を返しに来た時にその十元を払い戻してくれるようにした。
 
 
預かり金は保証として当然だと単純に考えたが、派生的に思いもよらない結果が待っていた。それが面倒くさいために袋を借りたがらない人がいる一方、店の説明を聞いた後、その若者たちを褒めたたえ、五十元や百元を入れて助成金にする人もおり、それを辞退することもできず、ボランティアも店の主人も直ぐにはどうしたらよいか分からなかった。「預かり金制度が妨げになって誰もが参加できるわけではなかった。そこでそれを無くし、必要な時に直接店から無償で袋を借りられるようにしました」と翁聖ウェイが説明した。
 
それ以外に袋を整理するのも大変な労力が必要で、買い物袋を集め始めた時はボランティアの家で洗ったりして整理していた。仕事や学校の合間には商店に連絡を取ったり、会議を開いて検討したりした。きれいにした袋は一軒ずつ配送しなければならず、ユーバッグが第一歩を踏み出して数カ月経った頃、チームのメンバーは耐えられなくなってしまった。その後、皆で話し合った結果、あることに気が付いた。袋を集めなくても元々清潔な紙袋やプラスチック系レジ袋だけで商店や消費者の必要以上の数があったのだ。
 

不使用、使用減、重複使用

・イギリスの環境機構の研究によると、消費された資源と汚染の面
 で言ば、紙袋の地球に与えるダメージはプラスチック袋の3倍
 である。
・言い換えれば、1つの紙袋は3回以上使って初めて1つのプラス
 チック袋に相当するのである。そして、綿の買い物袋は131回
 以上使って初めて、環境に負荷が掛からないものになるのである。
 
 

方向が正しければ、「袋」の循環使用は理解してもらえる

 
「私たちはもっと単純に運動を推し進めるようプラットフォームを改善しました。ユーバッグとは何かを知ることができ、どこそこの店で袋が足りないとか、紙袋や買い物袋等どういう種類のプラスチックレジ袋は引き取りますといった情報が分かるようにしたので、必要な人に送り届けることができるようになりました」。借りる側と貸す側の接点を見出してからは、そのプラットフォームを運営することに一層努力を注いだので、ユーバッグ・チームは現在より多くのファンを引き付けている。
 
大衆がこの運動を知れば知るほど、家の中に眠っている袋を有効活用することができ、商店で再利用袋が使い捨てのプラスチック系レジ袋に取って代われば、エコな善の循環が起きるのである。
 
台北の路地裏でパン屋を経営する陳ユージンは、「三年前に開業した時からレジ袋を提供していませんが、お客さんによっては不便に思う人もいました。しかし、二年前、常連客の紹介でユーバッグに登録し、行動を始めると、知らない人から再利用可能な袋が送られてきました。その時からお客さんへの対応で困ることがなくなりました」と言った。
 
「お客さんが来ると、『清潔な紙袋を再利用しています。食べ物を入れるため、清潔でない袋は使いません。家に紙袋があれば、いつでもお持ちください。歓迎します』と紹介するのです」。
 
陳ユージンが一番よく使うのはお土産やデパートの買い物で提供される手提げ用の紙袋である。「彼女たちは定期的に参加している店と連絡を取り合い、袋の不足や過剰を調べて調整してくれます」と彼女はボランティアたちを称えた。
 
目下、ユーバッグ計画に参加している店舗は百軒を超え、北、中、南部の各地及び澎湖(ポンフー)島に広がっており、個人経営の商店だけでなく著名な量販店も加盟している。そして、再利用できる袋を最大限に活用するために、チームは特に地方自治体の環境保護局と協力して、大衆の善意とプラスチックの使用削減政策が食い違わないように注意している。
 
「環境保護局の政策では新しいプラスチック袋さえ提供しなければ罰せられることはなく、店の中にリサイクル袋の専用区域を設けるよう提案しています」とボランティアの翁聖ウェイが説明した。
 
●参加している商店の壁にはユーバッグの加入者証が貼られ、提供して欲しい袋の種類と清潔な使用済み袋が商店で再利用できることが書かれてあった。

何度も再利用することで、より多くの人に賛同してもらう

 
一路実践してきた中では走りながら模索する場面も経験してきたが、彼らは循環経済という領域で、二〇一七年に慈済が催した「青年公益実践計画」に参加し、卓越した優秀な成績を収めた。
 
「慈済は資源と活力を与えてくれました。担当の方が映像やネットを通じてプラスチックの使用減と循環重複使用という理念を広めることを提案してくれたのです」。大学生の時に慈青社(大学のサークル「慈済青年社」)に参加したことがある呂シュエンヂは慈済の青年公益実践計画に感謝した。奨励金の提供だけでなく、貴重な知識まで授かり、チームは僅か一年で参加店舗を三十数軒から百件余りに拡大することができたのである。
 
「私たちの協力対象は殆どが個人経営の店ですが、一軒当たり月々使用するリサイクル袋は平均して百から二百個になります」と呂シュエンヂが続けた。そして、参加者は今年六月現在で百六十五軒になり、低く見積もってもリサイクル袋の使用回数は月に一万六千回を超えている。
 
静思語には、「道さえ見つかれば、長い道のりも怖くない」という言葉がある。ユーバッグの実践経験は、台湾の人々に共通する環境保全意識と地球を愛する初歩的な智慧と認識を表しているが、実際に行動するとなると、人は往々にして日常生活における面倒くささと不便さに自分を甘やかしてしまうものだ。
 
もし、問題点を見つけて、アイデアとハイテクの利便を借りて解決できれば、数多くの「やる気はあるが、行動に移すことが難しい」と感じている人に行動を起こさせるきっかけとなり、思いも寄らない影響力を発揮できるかもしれない。     
(慈済月刊六三二期より)
NO.273