慈濟傳播人文志業基金會
慈済の慈善モデルを世界に分かち合う
 
この半世紀余り、慈済の慈善モデルは社会に大きく貢献している。我々は慈済の優勢を活用し、世界に対してより大きなプラスの影響力を発揮しなければならない。(撮影・林家如)
慈済の慈善志業は台湾に始まり、世界へ踏み出している。慈済は能力を活かして、災難がある所や苦難を受けている人々がいれば、慈済ボランティアは救いの手を差し伸べている。
 
この数年来、慈済慈善事業基金会の年度慈善支出を分析すると、八割以上が台湾に使われており、海外向けの支出は相対的に少ない。慈済は国際慈善活動すると同時に、「現地ボランティア」の育成にも力を入れている。即ち志業や慈善の永続には必ず現地の資源と人材を投入してこそ着実に、自力更生と自給自足ができるのである。
 
台湾の慈善には深さ、そして海外での慈善には広さが要求され、両者とも推進する上で、時代の変遷に応じて臨機応変に調整されるべきである。国際化と地域化の同時発展の趨勢は、何年も前から「地球規模且つ地域化」(globalizationとlocalizationを合わせた造語)を打ち出してきている。
 
半世紀以来、慈済は長期支援、緊急支援、冬季配付、大規模災害支援など人文の特色を備えた人道支援の経験を積み重ねてきた。現在、地球と人類が直面している危機に対応するために、慈済の歩調もまた刷新されている。今年は九二一大震災の二十周年と、モラコット風災(平成二十一年台風八号)十周年を迎えた。台湾は地理的に地震や台風に襲われやすい。当時を振り返って見ると、被害の凄まじさには心が痛む。今日に至って、地球は頻発する災害を通して、全人類に警鐘を鳴らし続けている。それに対して世界は皆で正視する必要がある。
 
世を震撼させる災難に対して人々は戒を慎み、敬虔に素早く行動をとるべきだと證厳上人は早くから呼びかけてきた。慈済は長期にわたって気候の変動に注目し、国際間でも今は地球温暖化の深刻さを認識している。
 
●慈済志業には多くの「宝」が隠されている。慈済が台湾で30年間推進してきた環境保全(エコ)活動は多くの人の環境や消費に対する反省と意識に影響を及ぼしてきた。これは一種美しい悟りを伴った心の循環になっている。

受け入れ難い気候変動

二〇一八年の世界経済フォーラムで参加者を対象に世界が直面している最も深刻な問題についてのアンケート調査をしたところ、「気候変動」がランキング一位になっていた。
 
PWC会計士事務所は毎年台湾を含め、企業規模が五億ドル以上の企業千社のCEOに対して調査をしてまとめた「二〇一九グローバルCEO展望」によると、気候変動が初めて成長企業リスクランキングで一位になった。
 
言い換えれば、地球温暖化と気候変動は実質的に人類の経済発展に影響を及ぼしている。問題が切実に感じられたから、終に皆が重視するようになったのである。
 
二〇一九年世界経済フォーラムで、IMFと世界銀行の首席は期せずして一致して「気候変動の防止策を積極的に講じなければ、自然災害による人命や経済損失はもっと大きくなる」と言った。肉食を減らすことは二酸化炭素の排出削減と温暖化抑止に効果があることを国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も発見した。即ち菜食は地球環境に優しい食生活とライフスタイルの一つなのである。
 
ネット情報が多様化している昨今では、若者は様々な国際情報を素早く手に入れることができる。しかし、幅広く情報が入る以外に、もっと重要なのは人々がこの共通認識の価値を生活の中に取り入れ、実践することであり、そこで初めて今、地球が直面している問題を改善することができるのだ。
 

貴重な経験を世界とシェアする

慈済の四大志業には多くの「宝」が隠されている。例えば、慈済環境保全志業は今年で三十周年になる。中でも回収、分類、粒状、紡糸、紡織、販売など様々な過程で「エコ糸」のサプライチェーンを形作っており、それは世界が今重視している「循環経済」(Circular Economy)でもある。
 
慈済の環境保全は完全な経済サイクルを創造している。製品化を通して人々にもっとエコの理念と価値を重視させているだけでなく、そこから得た収益を大愛テレビ局に投入して善美の情報やテレビ番組を全世界に発信することによって多くの人に感動を与え、エコ・ボランティアを目指す人を増やしている。従って、慈済の環境保全活動は「経済サイクル」以外に、「精神サイクル」をも創っている。二つのサイクルを繋げば、まるで数学の「無限大∞」符号のように途切れることなく、更に多くの人がエコに努め励むように呼びかけている。
 
私は、経済サイクルと精神サイクルの両面を持つ慈済のエコ・モデルは世界でも唯一無二のものであり、世界各地に出しても「ハイライト」であると思う。
 
その他、慈済の「無言の良師」がある――亡くなった後、遺体を医学教育や模擬手術の為に寄贈する「遺体先生」は各界に認められ、人々は学習に訪れている。又、慈悲の科学に関する研究開発や非血縁者間の造血幹細胞寄贈運動、国際災害支援のモデル等全てが、全人類に有益な宝であり、国際舞台における模範と言える。もしも慈済が創造した人道支援の経験を論述すれば、世界に披露する機会が得られ、さらに多くの人に見て感動してもらえるだろう。
 
慈済には、尊敬に値するボランティア達を紹介するモデルが沢山ある。彼らは宗教精神と結合した、無償、自費、自分の時間、寄付のモットーの下に社会奉仕に参加している。これこそが国際社会の舞台で声を上げ、さらに多くの国際人に参加を呼びかけるのに値する唯一無二のものである。
 
●慈済の「エコ・一貫システム」は回収から分類、粒状化、紡糸、紡織、販売などの多様な過程を経て、1つのエコ糸のサプライチェーンを形成しており、世界が注目している循環経済の手本になっているだけでなく、気候変動の速度を緩め、生存危機から地球を救う為の慈済の努力を示している。

データがプラスの影響力を表す

心の面から見ると、慈済人の慈善ケアに要求も条件も設けないというのは、證厳法師が常に言っているように、慈済人にとって善行は日常の本質であることに由来する。見返りを求めないごく自然な行いなのだ。前足を踏み出したら後ろ足を地面から離す。これも仏の教育の本懐である。
 
今の社会は統計や分析によるデータの数値化を重視している。慈善団体にとっても数字と数量はとても重要で、そうしなければ、組織の運営成果は測りようがない。特に人々は慈善組織にたいする期待とレベルが日に日に増しているため、「数字がものを言う」ように、数値化したデータを出さなければならない。
 
客観的に多方面から評価し、数値化した慈善項目の全体的な貢献は、SROI(Social return on investment)の精神である。それは「社会的投資収益率」と訳されるが、私は「社会的プラス影響力」と解釈した方が慈済に適していると思う。それはボランティアにとって良い啓示と励ましにもなっている。
 
慈済は半世紀余りの慈善活動の努力と累積で社会に多大な貢献をしてきた。我々はその優勢を活かして、世界により大きなプラスの影響力を発揮すべきである。この数年来、国連や国際組織が様々な活動に慈済の参加を招き、慈済にホスト役として、発表、或いはエコや国際災害支援の成果を発表してもらっており、国際舞台を通して慈済のプラスの影響力をもって世界が一層美しくなることを期待している。
(慈済月刊六三六期より)
NO.277