慈濟傳播人文志業基金會
暗やみの人生で道を模索する
視覚障害者を社会的に支援模索する
 
「台湾盲人重建院(視覚障害者職能開発施設)」は中途視覚障害者の生活再建のための職業訓練を行っている。慈済は公益団体との協力の下にマッサージ師養成講座を補助しており、今年で四年目になる。中途視覚障害者が専業マッサージ師になり、社会復帰ができるように支援している。
 
ごく自然に歩き、慣れた道を通ってお客さんをマッサージ室に案内している人が視覚障害者であることは言われるまで気づかない。
 
昨年、台湾盲人重建院を卒業したばかりの黄国豪と闕文莉は、二人とも病気で失明して視覚障害者になった。彼らが人生のどん底にいた時に、重建院で希望を模索した。
 
彼らは盲人重建院で改めて生活技能を学習し、今では、自力で調理や洗濯、パソコンの使用など、失明の後にはできなかった日常生活を取り戻した。さらに一人で外出することも家族に頼らずできるようになった。また、キャリアを建て直すため、訓練を受けてプロのマッサージ師になって、生活費を稼ぎ、社会復帰するだけでなく自信も取り戻したため、「役に立たない人間」といわれる心配もなくなった。
 
失明した当時は気持ちが沈んで絶望のどん底に突き落とされたが、今では、過去についても朗らかに話せて自力更生することができた。黄国豪と闕文莉もまた盲人重建院の救いの手で、崖から落ちそうになっていた人生を取り戻した。
 
●台湾盲人重建院は、毎年およそ1000人の視覚障害者にサービスを提供している。院内各種の学習コースに加えて、教師は学生を連れて外で「方向性行動トレーニング」を行い、学生が白い杖を使用して方向と空間の概念を確立し、単独で安全に目的地に到達できるよう指導している。

失望、絶望を乗り越えて、希望に

新北市新荘区中正路に面した青と白の昔ながらの平屋は、過ぎ去る年月に耐えられず、老朽化した外壁はすでにぼろぼろになっている。ここは一九五一年に設立され、六十年以上経っている台湾盲人重建院である。
 
台湾の中途視覚障害者は年間千人以上の割合で増加している。彼らが自立した生活を送る術を学習し、キャリアの立て直す場合に台湾盲人重建院は重要な支援機構の一つとなっている。視覚障害者世帯の負担を軽減し、彼らが立ち上って職場に復帰することを励ますため、院内で提供するカリキュラムと訓練は全て無料である。
 
社会復帰コースの訓練期間中、学生は院内で寄宿することになっており、また各自のニーズに合わせて、適切なコースが選べる。重建院の職員林夏妃は、「自立して生活できるまでの所要時間は、速い人は約半年から一年で、遅い人は二、三年かかることもあります」と述べた。
 
長い間、職業訓練コースと生活再建に必要な費用は、労働部の助成金と重建院の募金に依存しているが、経費が大きいため赤字続きである。とりわけ、ここ十年来社会の変化にしたがって、また詐欺事件が多発していることで、寄付する人の意欲が徐々に低下し、資金調達の正当性と真実性にさえ疑問を呈している。
 
視覚障害者の生活復帰を支援する重要な拠点の運営が続けられるように、台湾盲人重建院は二○一六年から慈済基金会と「公益協力協定書」を取り交わした。視覚障害者が社会と職場に復帰出来るよう、慈済が協力することに期待した。慈済は「クラスCマッサージ師養成班」の学生たちが安心して受験準備に専念できるように彼らの生活費を助成している。今年で協力して四年目になり、合計四十七人の視覚障害者学生がクラスCマッサージ師に合格して順調に職業に就いている。
 
慈済基金会のソーシャルワーカーである徐瑞琼は、「慈済のケア世帯で家族が中途視覚障害者になるケースは少なくないのです。一部の視覚障害者は元来は家庭の大黒柱だったのですが、視力低下のために働けなくなり、生活に困難をきたすようになりました。ボランティアは寄り添いながら視覚障害関連の資源を探す手伝いをします。『心身障害証明』の有無を確認したり、視覚障害者世帯としてどのような社会福祉の支援が得られるのかを探すのです」と説明した。
 
対象:知的障害者施設、矯正施設、留置場、養護老人ホーム、
    警察署や消防署など
内容:慰問、公益の調達、物資及び経費の支援
統計:延べ171,993人が恩恵を受けた。
    延べ47,047人のボランティアが参加した。(2018年)

ボランティアは視覚障害者に寄り添う

水曜日の夜、マッサージ教室から笑い声が聞こえてきた。慈済ボランティアは、毎月少なくとも一回、夜の時間に来て、学生たちとゲームをしたり、「證厳法師が語る物語」のビデオを再生して音声を聞かせたり、「竹筒歳月」の話をしたりして心得を分かち合っている。
 
徐瑞琼は、「学生の中にはカトリックやプロテスタントの信者もいますが、信仰が違うからと言って参加しないようなことはありません。竹筒歳月の話をした時も善行に宗教の区別はないと信じており、自発的に竹筒を持ち帰りました。また、可能な限り他の視覚障害者を助けるために、定期的に寄付する学生もいます」と話した。
 
夕方の自習に加えて、慈済ボランティアは学生たちが本格的に職業訓練を受ける二、三カ月前に人文講座を企画し、同じ障害者を招いて、そのライフストーリーを分かち合ってもらっている。
 
晴眼者は、視覚障害者の生活がどれほど不便なのか、想像し難いであろう。彼らは一歩踏み出すだけでも不安なのだ。特に頼りの白い杖を不適切に導くのは恐怖を感じさせると同時に怪我させやすい動作である。従ってボランティアは重建院で学生に付き添う前に、先ず「視覚障害者」の日常を体験することから始め、専門家から「人導法」と視覚障害者に適切に寄り添う方法の指導を受けなければならない。
 
ボランティアは付添いを使命と見なし、学生が安心して信頼できる関係を確立し、また様々なレジャー活動において彼らを世話している。たとえば、年に四回ある院外指導では重建院の職員が共に学生に同行してバス乗車を体験し、新荘区の旧市街地を知ってもらったり、ボーリングや故宮博物館見学までする。
 
適切な付き添いは、視覚障害者にとって一種の心の拠り所であり、さらに大きな励ましである。慈済ボランティアと盲人重建院の職員たちは、全ての視覚障害者が心と目の障害を乗り越え、さまざまな学習やかかわりあいの経験を通して人生の価値を見つけ、自分を信じて勇敢に人生を変えることを期待している。
 
●慈済ボランティアは重建院で学生たちとゲームをしたり、ストーリーを分かち合ったりするだけでなく、学生が昼間のクラスで学んだマッサージのスキルをボランティアの体で実地に練習する。
(慈済月刊六三六期より)
NO.277