慈濟傳播人文志業基金會
医療を護る衣服を届ける
中国湖南省長沙市にて最前線への支援
 
武漢に隣接する湖南省長沙市で新型コロナウイルスの感染者のケアをする医療関係者は、任務を含めて前後四十日間隔離され、毎日ハ|ドな仕事量をこなしつづけている。長沙市の慈済ボランティアは五時間のうちに二百着の衣服を集め、第一線で治療にあたる医療関係者の着替えとして提供し、支援の気持ちを伝えた。
 
湖南省の各地において、新型コロナウイルスの感染が確認された患者は千人を超えた。長沙市の第一医院は省と市の感染症指定医療機関であり、もともとこの病院で働く医療スタッフの他にも、各地の病院から志願して選ばれた精鋭たちがここに派遣されて医療に当たっている。
 
長沙市の中心病院から派遣された医療スタッフ達は毎日の退勤後、病院の近くに政府が臨時で借り上げたホテルに集合することになっている。食事量は簡素で少なく、午前中に卵を一個、饅頭を半分、粥をお椀に半分だけのこともある。食べ物が不足しているわけではなく、仕事中にトイレに行くことができないため、あえて少量しか食べないのである。防護物資はきわめて不足しており、特に防護服は貴重品である。一度着ると勤務中は脱ぐことができない。着替えるのも惜しく、またそもそも着替えがないことも多いのだ。そのため、大人用紙おむつで用を済ませる人もいる。
 
一組の医療スタッフは基本的に連続十五日間の任務につかなくてはならない。任務開始前に十五日間の隔離観察期間があり、任務終了後にもホテル内に待機して十五日間の隔離観察期間がおかれる。このように前後含めて四十日余の隔離を経て、感染していないことが完全に確認されなければ自宅へ戻ることができない。

退勤後は自主隔離 洗濯もままならず、汚染を恐れる

長沙市中心病院の李甜さんは家を出るときに数着の着替えしか持ってこなかったが、任務開始後にこれでは足りないことに気がついた。毎日の仕事量は膨大で、洗濯をする時間などない。たとえ洗ったとしても、大勢が集中して寝泊りするホテルでは窓を開けることが許されないため、換気することも服を干すこともできない。また、病院内で着用した衣服を持ちこむことでホテルが汚染され、相互感染を引き起こすことも心配だった。
 
二月三日午前中、李さんは同僚のSNSグループにメッセージを発して、二百着の衣服を届けて欲しいと訴えた。退勤時の着替え用とするため、午後三時過ぎに長沙市中心病院で待つ同僚に手渡してほしいと助けを求めたのである。
 
同じSNSグループの胡淑霞さんは長沙市中心病院の医師で同僚でもあり、また慈済のボランティアでもある。彼女が直ぐにメッセージを慈済ボランティアのSNSグループに転送すると、それを見たボランティア達が次々に呼応し、必要に応じた衣服を急いで整理しはじめた。
 
一人一人がバスに乗って病院に届けようとすれば、途上で感染する恐れがあるため、ボランティアの潘静さんは、車を運転して衣服を回収する役割を自ら買って出た。疫病が蔓延する非常事態であるため、地区ごとに外部の車両や人員の進入が規制されていた。メンバー達は準備した衣服をそれぞれの地区の入口まで持ち寄り、潘さんに手渡すことにした。
 
ボランティアの馬萍さんは直ちに彼女自身、息子、夫のものをあわせて二十着の衣服を用意した。下着や靴下の多くは新品だった。彼女が衣服を整理していると、そばにいた夫が「送るならば、一番いいものを送りなさい」と繰り返し諭した。
 
馬さん一家から衣服を受け取ると、潘さんは王滔さん、曽小紅さんの住む地区の入口へと向かった。ボランティアの陳青さん、馬莎さん、劉怒涛さんは潘さんの時間を無駄にしないようにと、早々に家で梱包をすませて道路脇で待っていた。姜珂さんは潘さんが昼食を食べていないことを知ると、衣服を手渡す前に彼女を自宅に招き入れ、餃子をゆでてふるまった。
 
●中国湖南省長沙市の慈済ボランティアは、疫病と第一線で戦う医療関係者に着替え用の衣服を送り届け、彼らを応援した。(写真提供・唐建雲)

各地から届いた愛 医療スタッフの感動と喜び  

車はすぐに受け取った衣服で一杯になった。潘さんが長沙市中心病院に到着したのは三時前だったが、胡さんはすでに入口で待っていた。胡淑霞さんが点検中に男性用の上着が一着足りないことに気づくと、潘さんはすぐに近くの友人に電話をかけて協力を求め、ついに必要な衣服が全て揃った。
 
この時、北部で回収した衣服を乗せた李春彦さん、そして各地域から衣服を運んできた易宇さん、廖群さん、洪菁霞さんらボランティア達も次々と到着した。洪さんはなんと河西からタクシーに乗って来たという。彼女は二十数着の服を持参したが、自分が着るために残したのは数着だけだった。
 
こうして五時間のうちに二百着余りの衣服を集め、胡さんの同僚である看護師長の姚美容さんの車に積み込んだ。姚看護師長は感動して、「短時間のうちにこれほど多くの良質な衣服を送り届けてくださり、本当に感謝しています」とお礼を言った。ボランティア達は姚看護師長に対し、どうか自分を守るようにと繰り返し告げ、また慈済人から医療関係者への祝福を伝えた。
 
午後五時を過ぎたころ、胡さんが李さんと李翔人さんから受け取ったSNSメッセージには、衣服を無事に受け取ったこと、「感謝、感動、幸福」の気持ち、そして慈済の愛を皆に伝えていくと書かれていた。このメッセージを見た慈済ボランティアも喜び、又感動し、第一線で奮闘する医療関係者と患者達に心からの祝福を送った。
(慈済月刊六四〇期より)
NO.281