慈濟傳播人文志業基金會
読書のビジョン 図書館進化論
窓の外に緑が映える中、一人の母親と娘が台中市立図書館李科永紀念図書分館で本を読んでいた。大衆が
読書に親しむよう、近年、図書館や学校、民間団
体は積極的に投入し、読書が習慣化して新しい
時代へと変わることを期待している。
 
 
5.2冊。文化部の統計によれば、台湾国民が昨年一年間に読んだ本の平均数は5・2冊で、アメリカの12冊、韓国の9・1冊、日本の8・3冊に遠く及ばない。この数値は驚くに値しない。しかし、次の数値は信じられないかもしれないが、事実である。国立図書館の統計によると、昨年、台湾国民が各地の図書館を訪れた人数は延べ9198万人余りで、一昨年より6・7%増えている。そして本を借りた人は2167万人で5・7%増えた。一人当たりの平均は3・3冊で、0・1冊増えている。この数値を見る限り、まだ増える余地はあり、台湾の公立図書館の努力の成果が現れている。
 
本を身近なものにし、読書と学習に対する願望を呼び覚ますために、図書館や学校、民間団体は近年、変革を起こしている。図書館は本を借りたり読んだり、一つの椅子に座って読書するだけの場所ではなく、生命体のように絶えず進化しているのである。
 
 
●新北市立図書館総館は台湾で唯一24時間営業している公共図書館である。館内には「世界の窓・読書コーナー」が設けられ、日本の禅を模した作り(写真左・上)やアメリカ・ヤッピ―風など異国情緒豊かである。自習コーナー(写真左・下)と視聴コーナー(写真上)は休日には満員になる。

空間の改造で大衆を惹きつける

もし長い間、図書館に出入りしていなければ、信じられないかもしれないが、「図書館がどう変化できるというのか?」と言わず、先ず新北市立図書館板橋江子翠分館を見てみよう。
 
復古調の赤レンガ三階建ての建物に入ると、6Mの高い天井と太い梁が目に入り、開けた視野と共に壮観さが感じられる。明かりは半円形の窓から射し込む陽射しであり、更に上を見ると、圧迫感を与えるグリットシステム天井ではなく、網の目状に張り渡された黒い鉄枠と古い倉庫を模した梁から照明器具が吊り下げられている。イギリスの大学のような風格を持った自習エリアで読書すれば、賢くなる気がする。
 
そこに八年間勤務した新北市立図書館秘書の陳文增氏によると、二〇一七年に改修工事が終わってから訪れる人は20%増え、空間の改善が大衆を惹きつけていることを表している。「以前は空間が狭かったのですが、今はかなり余裕ができ、訪れる人は増え続けています」と江子翠に四十年間住んでいる、年輩の読者且つ図書館ボランティアでもある顏燕玉さんが笑顔で説明してくれた。
 
次に、個人の寄付によって一年前に建てられた台中市立図書館李科永紀念分館に目を向けてみよう。三十七歳の主婦、蔡珮琪さんが乳母車を押しながら三歳の娘を連れて入ってきた。女の子は窓の外を指して「ママ、公園で遊びたい!」と言ったが、逆に絵本を数冊持ってきて、床に座って読み始めた。
 
「一階に児童コーナーがあるので上に行く必要がなく、とても便利です。子供たちは自由に振る舞うことができ、多少声が大きくても読書している他の人の迷惑にはなりません」。蔡さんはママ友サークルの推薦でこの素晴らしい場所を見つけた。
 
公園脇にある李科永紀念図書分館は、一部を吹き抜けにし、窓を大きくして外の景色を取り入れることで、緑と日差しが入るようになった。
 
また、今まで図書館が使用していた白色蛍光灯から温かみのある照明に変えたことで、平日に子供連れの人が増えたばかりでなく、休日にもお年寄りや子供を連れた人を多く見かけるようになり、平日の倍の人数になった。板橋江子翠分館であれ、李科永紀念図書分館であれ、これら図書館が変化したのにはそれなりの理由があるのだ。
 
一から全体的に企画し直して新築された李科永紀念図書分館に比べ、三十六年の歴史を持つ板橋江子翠分館(元・新北市図書総館)の場合、改修するに当たって、徹底した整理と共に、限られた空間で最も効率的な運用を考えなければならなかった。
 
その分館は戦後の第一世代建築士で、台北市立美術館を設計した高而潘氏が手がけたものである。当初は台湾の現代主義建築の意義を証明すると共に、実用性を考えた結果、元来の特色が余分な装飾の裏に隠れてしまっていた。そこで改修工事した時、グリットシステム天井やカーテンボックス、間仕切りなどを取り外し、新たな配置や採光の設計し直しで、元来の伝統的な容貌を取り戻すと同時に、今風の軽工業風に仕上った。
 
図書館は美しさと共に実用性も兼ね備えていなければならない。改築する時、陳氏は三つの重点を指摘した。役割の位置付け、年齢や大衆層による利用の区分け、ユニバーサルデザインの三つである。板橋江子翠分館を例にとると、「分館」とは言っても、自習型の「閲覽室」ではなく、所在地域の蔵書を守る責任を担う場所と位置づけ、用途に応じて区分けすることにした。三階を静かな読書コーナーにし、二階は「声を出してもよい」子供の閲覧室や新聞、雑誌を読むコーナーにしている。
 
またユニバーサルデザインを取り入れ、バリアフリーと目的地に到達し易い空間設計を実現した。例えば、本棚と本棚の間隔を110〜120㎝にすれば、車椅子や乳母車が通れ、出入り口に55㎝以上の空間を設ければ、人の流れがよりスムーズになる。伝統的な図書館をリフォームして現代風にすれば、図書館は薄暗くて味気ないというイメージを一掃することができる。生まれ変わった図書館は大衆を惹きつけると共に地域の活性化にも繋がっている。「ランドマークとして宣伝し、そこで楽しむのもいいと思います。先ずは人々に来てもらって、読書を身近なものにしてもらうのです」と台中市李科永紀念図書分館の卓淑玲主任が言った。
 
●新北市板橋江子翠図書分館の自習コーナー(写真上・左)は改装後、以前の単調で味気ない場所(写真上・右)からドラム缶の椅子やパレットを形取った本棚が出現し、一体的に現代風の軽工業様式を醸し出している(左下)。(写真左・新北市提供)

倉庫からランドマ―クへ 変化と一貫性

図書館がいつ頃、どこで出現したのかは分からないが、元来の目的は文化の保存であり、エジプトや中国などの古代文明を持った国が初期の図書館の発祥地であろう。かの有名なアレクサンドリア図書館はギリシア文明の紀元前三世紀初頭に建てられたものである。
 
後期古代ロ―マはエジプトとギリシアの影響を受け、図書館が発展を遂げた。初めは貴族が対象だったが、ローマ文明の最盛期になると、数多くの図書館が民間に開放されるようになり、それが公共図書館の始まりとなった。
 
台湾の公共図書館に戻って見てみよう。昔は少数の統治者や知識層が独占し、公共図書館は日本統治時代の初期(一九〇九年)以降、民間のアイデアで西洋式蔵書機関として設立された。しかし、大規模な建設は一九八〇年代に政府が推し進めた「十二項目建設」と「台湾省文化建設補強重要措置」の二大政策が始まってからであった。
 
二十三年間図書館に勤めた経歴がある陳氏によると、初期の地方図書館は本を貸し出す蔵書倉庫に過ぎなかった為、その多くは「特に設計の必要はなく、高さの異なる本棚を買えばそれで済む」という考えであった。それ以上考えることをしなかったため、倉庫のような場所になってしまったのである。
 
図書館空間のリフォームについては九二一大地震後の再建から話さなければならない。当時、中部の図書館は全て損壊または倒壊した。再建方法を話し合うと、本を購入すればいいという古い考え方の人もいれば、「破壊」は「建設」の契機だという人もいた。
 

●環境に優しい図書館が近年の建築の趨勢になっている。高雄市那瑪夏区民権小学校図書館(写真右)、台北市立図書館北投分館(写真左)は、共に台湾グリ―ン建築最高等級の「ダイヤモンド級グリーン建築」の認証を受けている。(撮影・劉子正)
 
台湾師範大学図書資料学研究所の陳昭珍教授は、近年の台湾図書館改革に参加したことがあり、当時、再建する方法を考えていた時、ある考えが脳裏に浮かんだのだそうだ。
 
それは友人が彼女に語った話に端を発する。「シンガポール政府の役人は誠品書店(注)の読書空間を賞賛し、出店を招聘したことがあるのです。その後、出店計画は実現されませんでしたが、シンガポール政府は『誠品』を見倣って全国二十数カ所の図書館を改装しました」。(注)誠品書店‥台湾の有名な大型複合書店で、日本の蔦屋に類似した斬新的な読書空間を提供している。
 
その後、陳教授は現地に行って視察し、温か味があって明るく、立体的な空間や変化に富んだ本棚と木の床を導入することで、人々にリラックスして読書してもらう、「誠品」的な雰囲気を体で感じ取ることができた。そこでは異なった民族の人たちが読書したり、ネットで閲覧したりしていた他、大人が子供に物語を読んで聞かせていた。「台湾でもこういう図書館ができないだろうか?」と彼女は思った。
 
陳教授の当時の考えは二〇〇二年に政府が推進した「整理地区公共図書館運営管理計画」の方針に採用され、町や村役場と読書に関心を持つ地方の有志に提案して評価された後、最終的に台中市霧峰区、嘉義市竹崎郷、南投県埔里鎮等九つの図書館の再建に採用された。
 
一回目の認可により模範的な改良が行なわれると、政府が引き続き 「公共図書館強化計画」、「読書習慣と空間改造」などを進め、台湾の公共図書館は以前の堅苦しくて近寄り難かった場所と違ったものができ上がった。
 
近年、台湾各地でより現代美学にマッチしたものができ、環境に優しくて使い勝手のよい現代的な図書館が建てられている。著名な台北市立図書館総館、高雄市立図書館総館、新北市立図書館総館などの他、将来は台南、桃園、台中、新竹などでも「国際的なランドマーク」となるような図書館が出現する予定である。
 
しかし、ランドマーク級の図書館を建設することが即ち「読書力の向上」に繋がるのか、または「目に見える功績」だけに終わってしまうのかは分からない。今までの台湾の公共施設には、多くの人が観光名所として訪れても、人々の心に感動を与えないため、最終的には誰も使わないものになってしまったのも少なく無い。
 
「しかし、それもいいかと思うのです。というのは、そういう状況が県知事や市長の目にとまるからです」と陳教授が言った。「しかし、それが単に誰それがしたから、私たちもしなければという考えに留まってはならず、建築物と専門人員を編成して初めて、良好な読書環境を維持することができるのです」。
 
図書館が何度も変革された後、「蔵書倉庫」から今あるような「生活に溶け込んだ図書館」になっても、読書の本質を推奨することを忘れてはならない。だが何故読書を推奨する必要があるのか?その意義はどこにあるのか?
 
「読書はあなたの世界観、価値観を形成し、果てはあなたの運命までをも決めてしまうのです」。読書を愛する著名人であり、PC-Home24購物の董事長でもある詹宏志はこう語っている。「今でも読書は新しい物事を学んだり、理解度を試す重要な役割を果たしています」。同様のことをマイクロソフトのビルゲイツ会長も述べたことがある。少なからぬ国は読書力を国力の一つとみなし、立法で読書を勧めていることは言うまでもない。アメリカを例にとれば、「読書卓越法案」があり、日本には「子供の読書活動の推進に関する法律」がある。
 

●台中市立図書館新社分館の移動図書館車は主に新社、太平、和平区にある山奥の小学校と病院を巡回しているが、道中殆どが山道である(写真左)。この日、訪問した中和小学校は全校で17人の生徒しかいないが、子供たちははしゃぎながら本を借りていた(写真上)。

山奥での読書は希望に繋がるのか失望になるのか

今まで山奥や離島の子供たちにとって、読書環境は明らかに大都会よりも劣っていた。綺麗な建物や快適な内装の図書館がなかったため、各方面の善意の人々は両者間の距離を縮めようと努力している。
 
台中市新社区中和小学校で子供たちが校門までやってきた。重くて大きなカバンを持った子供もいた。二週間に一度、移動図書館車がやってくる時間だからだ。その山間部にある小さな小学校の全校生徒は僅か十七人で、隔世世帯が多く、大人たちは仕事に忙しい。学校と共に移動図書館車は子供たちにとって知識の源泉なのである。
 
ここ数年、図書館は田舎に出向き、あらゆる所に読書習慣が行き渡ることを期待している。台中市立図書館新社分館移動図書館車の責任者である廖淑芬さんは、毎日二つの場所に行くが、九十キロほどの道のりは曲がりくねった山道である。今までの七年間、彼女は子供たちが成長するのを見届けてきた。「何人かの男の子は漫画しか借りないので、文字のある本を勧めました。少しずつ言い聞かせるしかないのです」と彼女は笑顔で言った。
 
公共図書館だけでなく、少なからぬ民間の非営利団体が田舎に読書習慣を広めている。例えば、静思書軒は「静思読書書軒」を山奥や離島の学校に設置しており、二〇一七年に始まったが、昨年末には百二十カ所を数えるようになった。それぞれの書軒は五百冊の書籍とビデオを備えており、不定期に書籍の入れ替えや講座を行なっている。「子供たちの心に真善美の種子が芽生えることを期待しているのです」と静思書軒の総責任者である蔡青兒さんが期待を述べた。
 
しかし、このような心温まる読書資源が長く有効的に運用されることができるかどうかは、建物や設備ではなく、専門知識を持った人材に係っていると言える。台湾師範大学の陳教授によれば、温世仁基金会は毎年、三百冊の新書を田舎の小学校に寄付してきたが、三年後に訪れてみると、新書は封をしたままだった。原因は学校側に図書を整理する人手が足りなかったためであり、資源は無駄になったのである。
 
図書館も書籍も静態的なもので、そこに入って本をめくってみなければ、「読書」という行為は存在せず、読書する習慣が身につくことはない。鍵を握っているのは「指導する人」である。特に今のように「一人に一台のスマホ」では、親も子も「スマホいじり」に夢中で「読書」していないのをよく見かける。もし、大人さえも読書しなければ、どうやって子供に読書を勧めることができるだろうか?
 

●山奥で読書を広めるには民間の力が欠かせない。静思書軒が設立した「静思読書書軒」(写真左は台東県三仙小学校)や花蓮県新城小学校野球チームのコーチ胡文偉が作った「練習曲書店」(写真右)は、現地の生徒に恩恵をもたらしている。(写真左・静思書軒提供)

一緒に本を読み、スマホいじりしない習慣を身につける

新北市北新小学校は昨年、「コミュニティ読書コーナー」を設置した。設置の理由の一つは親たちが子供に付き添って読書しようという呼びかけだった。
 
放課後、渡り廊下の横にある教室に設置された読書コーナーは子供と大人で賑わい始めた。「親を待つ子供や宿題をする子、または祖父と孫が一緒に本を読む姿などが見られ、スマホを弄る大人は僅かでした。朝の六時から夜の十時まで開いていて、生徒や父兄、地域住民すべてが利用でき、いわば親子教室になっているのです」。
 
「学校とコミュニティーの読書コーナー」プロジェクトは教育部から補助が受けられるため、小学校から高校まで各学校の図書室や使われていない空間を活性化するのに役立っている。先生や生徒に学習の機会を与えると共に、地域住民にも学校の図書室を開放している。二〇一七年から二〇二〇年度まで749校に補助金が出ることが決まっており、それは台湾全土に及んでいる。
 
「政府のアイデアが善意であっても、大事なのは『一緒に読書する』ことであり、それが『集会の場』となってはいけないのです。本来の読書を広める目的が失われたら、とても勿体無いと思います」と陳教授は呼びかけている。
 
屏東出身の彼女は、高校時代教育体制に失望したことがあり、その時味方したのは「机の下でこっそり読む本」であった。それは彼女が四十年間図書関係の仕事に就いた由来でもある。読書を広めるためには、公共図書館に頼るだけでなく、学校で読書人口を増やさなければならない。
 
近年、多くの小中学校で「朝の読書」活動を行っており、朝の自習時間に十分から十五分間を割いて、クラスの図書コーナーや学校の図書館から選出した本をクラス全員で読んでいる。勉強としてではなく、読んだ本の数も問われない。しかし、そうやって読書の時間を持っても、絵本や自分の好みの本だけを見たり、他の知識性のある本には手を出さないような「偏った読書」にもなり易い。
 
「ですから、読書は学習と結び付いたものでなければなりません」。これは陳教授が近年、小中学校で「司書教諭」を押し広める理由の一つでもある。欧米や日本で長年行われてきた「司書教諭」とはどんなものなのか?基隆市仁愛小学校を例に取ってみよう。
 
●基隆市仁愛小学校の図書館は生徒が放課後に家に帰るのを忘れてしまうほどの場所である(写真左)。司書教諭の林先生は多元的に読書することを推し進め、指導した結果、生徒は自主的に知識の探索をするようになった(写真右)。

資源以外に運用する人が必要

「先生、ダイヤモンドを研究しているのですが、どこかにありませんか?」運動場脇で数人の生徒が楽しそうに行ったり来たりして地面を見つめていた。その十分前、司書教諭の林心茹先生は「先週、鉱物の専門家が講演に来た時、持ってきた岩石を注意して観察しましたか?」と質問したばかりだった。生徒たちはまちまちに感想を述べ始めた。続いて林先生は彼らを一階に行かせ、「各チ―ムに一つ研究用の石を拾って来てください。本を読んだりネットで調べたりする以外に、実地に観察するのも研究課題の資料になるのですよ」。
 
これは六年生の「図書情報科目」にある研究活動で、今学期は自然科学と合わせて「岩石と鉱物」を研究課題にしている。あなたは、これと読書に何の関係があるのか?と思うかもしれない。「一般教育は子供に読書するよう学ばせますが、読書する中で学ばせることは余りありません」。テーマ研究は読書を通して子供を知識の追求へと導いている、と彼女が言った。 
 
司書教諭の職務は、図書館の開け閉め、本の貸し出しや整理、生徒を図書館で読書させることだと思われがちだが、実際は四つの役割を担っている:教師、授業のパートナー、情報係、事務管理者である。他の専門教師と共同でテ―マ研究の授業をする場合、授業のパートナーとしての役割はとても重要で、学期ごとに行われる一つか二つのテーマ研究は大方、自然、社会、語学、美術の科目を組み合わせて行われている。
 
図書館を中心にした、領域を超えたこのような授業は、本と実地教育を通して行われ、生徒は探索、問題定義、資料探し、問題の解決方法、目標の設定、討論と協力をすることができるようになり、結果として個人または社会価値を作り出すことができるのである。
 
このような探求経過は一般の人の「図書館」と「読書」に対する認識を超えたものになっている。図書館の力強い後ろ盾となっている仁愛小学校の彭麗琦校長は、「読書自体が最終的な目標ではなく、子供たちに自主的な学習能力を身に付けさせることなのです」と言った。
 
テーマ研究は通常、中高校生を対象にするものであるが、ある日、林先生は試しに二、三年生の子供を連れて潮間帯を研究することにした。思いがけず彼らは自主的に図鑑で調べて問題を解決したのである。「図鑑はやさしいものではないのですが、彼らは興味があったからできたのです」と、今年、優秀教師賞に輝いた林先生は、生徒が漢字と発音記号を混ぜて書いたテーマ報告を見せながら、少し自慢げに言った。教師は台上の賢者ではなく、子供に付き添って導く立場にある。子供に行動を促し、彼らに資源を与えて学習を手助けするのがその役割だ。
 
台湾出版界のレジェンダリー人物である、大塊文化社の郝明義董事長は、「時代の変革は読書の変革に始まる」と言ったことがある。図書館から読書へ、読書から学習へ、というように読書を好む国民は国を強くする。変革はいつも遅きに失することはなく、今からでも始められる。もっと読書のために図書館に出向き、子供たちと共に本を読もうではないか。
 
●新北市立図書館の移動図書館車は近年、巡回先を増やして、街中の電車や地下鉄の駅のような交通の要点にも出向き、通勤者が簡単に本を借りて読書が生活の一部になるようにした。
(経典雑誌二五六期より)
NO.282