慈濟傳播人文志業基金會
万物との共生を自覚する
「微生物の存在する世界に身を置く私たちですが、どこにいるのかを確実に知ることはできません。畏敬の念があってこそ平和裏に共存でき、人と万物の間で謙虚さを学んで初めて平穏無事でいられるのです」。十七年前サーズ危機が世界を襲った時、證厳法師は、「今回の疫病は人類に『傲慢であってはならない』という教訓を与えた」と語ったことがある。
 
現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に拡大している。五大洲の中で僅かに南極大陸だけには波及していないが、その勢いはまだ止まらない。将来は流感のように、毎年気温が低くなると感染が拡大することを予言する人もいる。これは人類の健康福祉に課された厳しい試練である。
 
しかしながら人が集まる所なら、伝染する可能性があり、また、必ずしも症状が出るとは限らず、防疫をより困難にしている。多くの科学者は、人がウイルスと平和に共存することを学ばなければならないと警告している。
 
人類が農業から畜産業を発展させると、人と家畜の接触が一大病原になった。また、過度な開発によって人が野生動物と接触する機会が増えると、人畜に共通する病気が増加した。「病気」は微生物によって引き起こされるが、微生物と生命体は元より「共生」という密接な関係にある。
 
当初はこの新型コロナウイルスがコウモリに由来すると見られていたが、生態系の中でコウモリは実は虫害を抑える益獣でもあり、そのうち果物や花粉を食べる数種類は、植物の受粉媒介を促進して森林の形成にも一役を担う。その結果、人類に数多くの天然資源を提供しているのである。
 
歴史学者のマクニールは一九七六年に『疫病と世界史』という著書の中で、「疾病は人類の文明発展に変化をもたらし、また医薬技術の進歩を促している面もあるが、人は依然、ウイルスの変異と戦い続けなければならない」と表した。
 
疫学の観点から見ると、ウイルスの感染力・薬剤耐性・環境適応性が強まる場合、或いは宿主の免疫力低下、接触による感染率増加、劣悪な衛生環境、生態系の破壊、人心の動揺等のすべての要素が疫病の爆発的な流行の原因になりうる。
 
「共生する」ことを実際に深く認識してこそ、私たちは心を落ち着けて対応策を考えることができるのだ。個人が行う予防策にはこまめに手洗いして大勢での集会を避ける等があるが、それを相互に注意喚起し合えば有効な防護ネットを織りなすことができる。そのように人と人の間に「共生」という観念を打ち立てる必要があるのだ。
 
台湾全土の慈済病院は感染症が発見された時、直ちに防疫の強化に乗り出した。医療ボランティアは普段の活動を取りやめ、病院の入り口で訪問者に防疫措置を施す手伝いをした。花蓮慈済病院では定期的に薬を取りに来る慢性病患者のため並ばずに薬が受け取れる予約制の窓口を設置した。台南のボランティアは、生産性を上げるためにマスク工場で包装を手伝い、中国のボランティアも防疫対策最前線の医療機関を支援して、防疫物資や防寒衣類などを送り届けた。
 
これらの行動によって、我々は衆生と源が同じであることを教えられ、万物共生の道理をより深く体得した。
(慈済月刊六四一期より)
NO.282