慈濟傳播人文志業基金會
幸せの一枚
看護師が癌末期患者の願いを叶えた。コンピューターソフトを駆使してオーストラリア旅行の写真を合成し、カンガルーと一緒に写っているようにした。何よりも、命の最期に念願の家族写真が完成し、家族に別れを告げることができた。
 
 
病棟で看護師たちはいつも一人で表情がなく、窓の外を見つめている男性の患者を見かけ、ケアする時にできるだけ話しかけるようにした。最初は一言二言の返事しか返って来なかったが、徐々に言葉が増え、最後には幼い頃から大人になるまでのことを話してくれた。
 
四十歳の周さんは子供のときに両親が離婚し、父親が食道癌で亡くなって、母親は再婚した。異父兄弟の妹がいるが、余り親しくなく、母親とも偶にしか連絡を取っていなかった。
 
彼は家庭に温かさを感じなかったため、高校卒業後、家を出てスナックで働いた。毎日、酒を呑み、酔って寝、酒の中に目覚めるという生活だった。
 
数年前、突然人生はこのままではいけないと悟り、タクシーの運転手に転職した。しかし何年も経たない今年の初め、腹部の痛みと食欲がない症状を覚え、台中慈済病院で検査したところ、末期の胃がんだと分かった。
 
病院での治療を続け改善を期待したが、三月に大量吐血して緊急外来に行き、再び入院した。しかし、母親は仕事があり、妹も大学生で、付き添うことができないため、いつも一人弱々しくベッドに横になっていた。彼の生活にケアが必要なのを見て、数人の看護師たちは、「大丈夫、あなたの家族や妹になってあげますから」と言った。
 
同僚が退勤した後も、交替で二、三時間彼に付き添い、必要な手助けをした。また治療後は彼を車椅子に載せ、外へ散歩に連れて行った。
 
今回の入院では、彼の病状は目に見えて悪化していた。二週間後、看護師は彼に聞いた、「何か叶えたい願望はありますか?」彼はオーストラリアのシドニーに行き、グレートバリアリーフで海亀を眺めながら潜水したいと思い続けてきたことを話した。海外旅行という幸せを味わいたかったが、恐らく退院できないだろう。また、子供の頃から家族写真を撮ったことがなく、いつも一枚欲しいと思っていたそうだ。
 
看護師たちは彼の夢を叶えるため、コンピューターソフトを駆使して、オーストラリアのシドニーで船に乗ったり、カンガルーや、潜水で海亀と楽しんでいる合成写真を作り、家族写真も作った。
 
皆で彼に祝福カードを書いた。内容は病気から早く回復するようにではなく、「あなたが入院している間、最後まで痛みがないよう努力します」という誠意のあるものだった。このプレゼントを贈った日、彼の妹とお母さんを呼んで、ベッド脇で簡単な生前告別式を行なった。その日、彼はやっとお母さんとゆっくり話をすることができた。若い時から家を離れ、お母さんとの関係は良くなかったが、スナックで働くなどしてお母さんに心配をかけて悲しませたことを謝り、感謝し、懺悔した。
 
カードを受け取って一週間後、彼は眠るように息を引きとった。看護師たちは家族と共に、ベッドの側で別れを告げた。こんなに若くて輝いていた命が、こんなに早く消えてしまったのである。私たちは悲しみと同時に、彼の人生の最後を共に歩んだことにいくばくかの安らぎを覚えた。
 
患者に付添う際には、より多く思いやりをかけ、話しに耳を傾け、優しく彼らの心を探ることが大切だ。実はこれは基本的なことである。患者も我々の努力を通してそれを感じ取ることができる。温かい話は慈済病院の様々な場所で起きており、誰もがストーリーの主人公であり、作者なのである。私たちの病院がそういう場所であることを伝えていきたい。
(慈済月刊六三三期より)
NO.283