慈濟傳播人文志業基金會
食卓上の防疫対策
 
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、人と接する時は一定の距離を保つようになりました。しかし、免疫力に悪影響を与える揚げ物や甘い物に対して私たちは「距離」を保っているでしょうか。また平素、野菜や果物を食べたがらない人は、それらに対する距離を縮めているでしょうか。
 
友人がソーシャルメディアで、母親の薬を買うため薬局に行ったところ、あらゆる種類の健康食品、ビタミン、ミネラル類のサプリメントが置かれていた棚がほとんど空だったことを述べていました。また、他の投稿では「ビタミンCやプロテインパウダー、カロテン、ニンニクエキス及びその他の栄養サプリメントが新型コロナウイルス(COVIDー19)の感染予防に効能がある」とか、そのため在庫が少なくなっているので早く買い求めるよう呼びかけ、買わないと後悔するとまで言っていました。そのような投稿に対して何百もの人が「いいね」を押しています。
 
私は栄養士として、それらの出来事について自分の考えを書く責任があると感じました。

三度の食事から栄養を取ろう

新型コロナウイルスの感染が広がる中、人々は外出先での感染を心配します。私がバスの中でたて続けに咳をした時、直ぐに、マスクをした乗客全員が不審な眼差しを私に注いでいるのに気づきました。ワクチンも治療薬もまだ無いことを皆知っており、自分でできることは免疫力をバランスの取れた良好な状態に保つことです。そこで不幸にして感染したとしても、ウイルスを撃退することができるでしょう。
 
不安を抱きながら、健康補助食品ばかりに目を向けないで、心を静めてもっと広い角度から思考してみましょう。あなたのお皿に盛りつけるとして、どんな食物が体の栄養素に必要で、ウイルスの感染防止に役立つのかをです。
 
今この時期に、人々は他人を警戒して一定の距離を保ち、親戚や友人と会う時に抱擁や握手していたのを拱手(きょうしゅ)に変えました。では、免疫力に負担をかける揚げ物や甘い物など栄養価の低い食べ物とは「距離」を置いているでしょうか?一方、普段、野菜や果物を食べたがらない人は少しでも食べるようになったでしょうか?
 
ピンチは契機かもしれません。普段、食事を注文する時、私たちは常に美味しい料理に目を向けますが、この非常時期だからこそ、「何が体にとって良いのか」互いに励まし合って思考を変えてみようではありませんか。
 
体の免疫細胞を良好な状態に保つためには、睡眠を充分に取りながら、栄養バランスの方からも着手すべきなのです。

タンパク質の摂取

タンパク質は人間の細胞を構成する主な栄養素で、免疫系統は十分なタンパク質があって初めて正常に作動することができるのです。もし極力避けるべき食べ物があるとしたら、恐らく免疫力に負担をかける、肉類の加工食品や揚げ物でしょう。
 
菜食者は、豆類、ナッツ類、豆腐や干豆腐など大豆製品からタンパク質を摂取し、加工食品を減らしています。こうすれば、毎日タンパク質だけでなく、重要なミネラルである「亜鉛」も一緒に摂取できるのです。
 
様々な色の新鮮な野菜や果物
 
様々な色の新鮮な野菜や果物は、免疫力を高めるのにとても役に立ちます。緑黄色野菜類、例えば、からし菜、サイシン(菜心)、ほうれん草などです。また黄橙色の野菜や果物である、カボチャやパプリカ、ニンジン、サツマイモ、パパイア、オレンジなどの天然食材は豊富なβカロテンを含んでいます。色が濃いほどβカロテンの量も多くなります。体の中でカロテンはビタミンAになり、目や口腔、鼻、気道の粘膜を丈夫にし、細菌やウイルスの体内への侵入を防ぎます。
 
果物に含まれているビタミンCは免疫力増強に優れています。平素、果物を食べる習慣のない人は、毎日、こぶし大二、三個分の新鮮な果物を摂ると良いでしょう。

キノコ類

多くの研究から、キノコは免疫力に良いことが証明されています。毎日の食事に取り入れるといいのですが、キノコを調理する場合、体に負担をかけないよう、出来るだけ油で揚げる調理法は避けた方がいいでしょう。スープに入れたり、野菜と一緒に少量の油でさっと炒めたりするのが望ましいです。
 
調理時間が限られた朝などは、私はキノコをフライパンで軽く炒めて塩を少々ふりかけ、全粒粉パンに挟んで食べています。簡単で美味しいですよ。
 
ウイルスに近づかない
 
橙黄色の野菜や果物はカロテンが豊富に含まれていて、目、口、鼻、気道の粘膜を丈夫にします。
こまめに手を洗い、手で顔、特に目や鼻、口に触れないようにします。

ネット上の情報は本当?

私はネット上で多くの人から情報を受け取りますが、その中で、中国武漢から引き上げた数百人のインド人が一人も新型コロナウイルスに感染しておらず、それは彼らが食べるカレーに関係しているとの情報があり、下の方にカレーを食べて予防するよう書かれてありました。
 
カレーに使われるウコンには抗酸化作用があるものの、これまでにカレーが新型コロナウイルスの感染を予防できると言う報告はなされていません。カレーが好きな人はそれでもいいですが、予防のためにたくさん食べるよう呼びかける必要はなく、それより、「こまめに手を洗う」ことが肝心であることを忘れてはなりません。
 
また、ニンニクやタマネギを生で大量に食べると新型コロナウイルスの予防対策になるという情報もあります。WHOによると、ニンニクはある程度の抗菌作用を持つ健康食品ではあっても、現在の感染情況においては、ニンニクを食べるとウイルスに感染しなくなるという科学的な証拠はありません。

ひっぱくした時期にこそ心を平静に

今は正に人心に対する試練の時です。情報が多過ぎれば多いほど社会は乱れ、正しいか否かを明らかにする必要があります。少しでも考え方に偏りが生じれば、心はパニックになって常軌を脱した行為に走り易く、人ごみに混じって必要でもないものを我先にと買い求めるようになります。
 
分岐点にある今、私は専門家からのアドバイスを信じます。こまめに手を洗い、手で顔、特に目や鼻、口に触れないよう心がけています。そして、家で衛生に気をつけ、しっかり食べてよく眠るようにしています。
 
微生物に関する絵本を娘と一緒に読み、自分もデビッド・クアメン著『Spillover』という本を買い求めました。これからは人混みをできるだけ避け、家で本を読みながら平常心を保ち、皆と一緒にこの非常事態を一歩一歩乗り越えていきたいと思います。
㊟『Spillover‥Animal infections and the Next Human Pandemic』(英語版)は2013年9月9日の発行。
(慈済月刊六四二期より)
NO.283