慈濟傳播人文志業基金會
愛は行動で簡単に示せる
 
青々とした山や花がいっぱいに咲いている野原は大西洋に隣接している。しかし、長かった夏の異常な旱魃に見舞われ、森林火災が起きた。山の岩肌はすっかり焼け焦げてしまったが、私たちは愛の繋がりで遙か遠くのこの国と巡り合えた。
 
二○一八年二月の下旬、欧米六カ国からやってきた慈済ボランティアはポルトガルに到着して現地のボランティアと合流し、ポルト空港から車でワゼラ市に到着した。来る途中で快適な天気と豊かな自然に恵まれた美しい景色に感動したが、被災地の情景を目にした瞬間悲しい思いになった。焼け焦げた木々と黒くなった岩が悲惨さを物語っていた。
 
支援物資の配付活動を行ったとき、現地の住民の瞳はまだ苦痛の記憶に怯えているようだったが、その心には疑問があることが見て取れた。「なぜこの人たちは遙か遠くの地からわざわざ助けに来たのだろう」という疑問である。
 
●ドイツ、イギリス、フランス、アメリカ、オランダ、ルクセンブルクの慈済ボランティアとポルトガルの現地ボランティアとが協力して、2日間にわたり3カ所で支援物資の配付活動を行った。
 
彼らは慈済のボランティアと初めて視線を合わせ、挨拶の言葉をかけられ、一緒に歌を歌ったり、お互いに手をつないで抱擁したりした時、思わず涙を流した。胸に抱えていた疑問に答えが見つかったのだろう。答えは簡単だ。「愛」がその理由なのだ。
 
国籍や言葉、民族などが異なっていても愛は変わらない。愛さえあれば、互いに遠く離れていても、心は一つになる。今度の支援活動に参加した私たちにも分かった。それは愛というものは実に簡単に伝えられるということだ。温かい笑顔や握り合った手から感じた温もり、そして心を込めた寄り添いだけで愛は伝わる。
 
二月二十六日、ボランティアたちは次々にここを離れたが、同時に彼らの深い友情を持って帰った。全ての災難はいつか必ず過ぎていく。純粋な心で行われた善行の下に不安な気持ちも穏やかになるはずだ。
 
紺の上着に白いパンツ姿のボランティアたちは、知恵を用いてタイミングと方向を決め、愛の種を蒔き森林火災を癒したのだった。
(慈済月刊六一七期より)
No.258