十一月上旬、日夜続いた暴風雨により、台湾の至る所が浸水と断水の被害をこうむった。アメリカ・カリフォルニア州では史上最悪の森林火災が続き、続いてメキシコを強震が襲った。北米の慈済ボランティアたちはテキサス州のハリケーンハービーの災害支援を行っていたが、手分けしてメキシコの災害調査にはせ参じた。
地水火風の四大要素の不調はこの時、人々に大自然の威力の恐ろしさを感じさせた。科学技術が進み、経済大国の米国でさえ、どんなに防災対策を行って備えていても、天災の威力にはかなわない。
災難は往々にして重なるものだ。今でも、地球上の多くの場所で人類が困難な生活を強いられている。西アフリカのシエラレオネ共和国を例にとれば、長期にわたる内戦、そして、二年前はさらにエボラ熱の流行に苛まれた。今年の夏は連日の豪雨により、アフリカは二十年来の洪水に見舞われ、多くの犠牲者が出た。
「慈済月刊」のカメラマンが再度シエラレオネ共和国を訪れ、報道した記事と写真は見るに忍びない。同国はアフリカで最も降水量の多い地域に位置し、イギリスの植民地時代に建設された首都フリータウンは海に面した山の上にある。海上貿易の利便性を考慮した都市造りで、洪水や土石流の潜在的な危険性は考慮されていなかった。
資本主義の開発と搾取の下に、現地民衆の生活は依然として困窮している。多くの人は生きるために土地の安い山に移ったが、そこは、濫伐の結果地盤が緩み、ゴミが下水道を塞いでいる。劣悪な公共衛生は、伝染病の蔓延を助長している。
経済誌の「エコノミスト」は、ハリケーンハービー被害の様子を大々的に報道し、災害について人々に注意を喚起した。地球温暖化の影響で、天災の威力が増すにつれ、災害もまた巨大化している。国連の統計によると、二〇一五年以前の二十年間の暴風雨と洪水によって世界がこうむった損失は一・七兆ドルに達すると、同誌は報じている。
地球温暖化の原因は、商工業の高度成長によって温室効果ガスが短期間に蓄積したため、生態環境が対応できないことにある。このため気候が不順となり、極端な気候が出現するようになった。
根本的な問題は、人心の限りない貪欲と飽くなき富への追求と物質の享受にある。何も原始的な生活に戻る必要はないが、日々必要ではない物を倹約して、環境と資源の破壊を少なくすることはできる。
持戒し、私欲や我執を減少させて、広い度量で人事万物の変化を受け入れ、大地の息遣いから畏敬を感じ取れれば、目に見えなくても人と人の間、または天地間の悪気を消すことができる。
二〇〇三年に新型肺炎SAASが台湾に蔓延し、その未知の疾病が人々を恐慌に陥れた時、證厳法師は初めて人々に真心を以て斎戒と菜食をするよう呼びかけた。今はあの時以上に斎戒する必要がある。なぜなら人心の疾病が出現しているからである。いかにして病原を取り除くかは、天が私たちに与えた試練であり、この時代に生きるすべての人の責任である。
(慈済月刊六一二期より)
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