慈濟傳播人文志業基金會
寂しいお年寄りの年明け
年末の賑やかな一家団欒が終わり、子供達が職場に戻った後の静けさがたまらない。親たちは気分が落ち込み、ため息が出る。これを思い過ごしと一言のもとに無視するのではなく、直ちに寄り添うことで、「空の巣症候群」にならないようにするのである。
 
いつもは一人暮らしの七十歳近い陳お婆さんは、体は丈夫である。去年の旧正月には一家団欒のために里帰りしてきた娘たちのために大忙しだった。五連休の間、みんなの食事やら寝具の用意やらで独楽のように動き回り、相変わらず元気いっぱいだった。
 
旧正月五日、子供たちはそれぞれの家に戻って行った。陳お婆さんは、冷蔵庫の中の残り物や、使った布団を見ていると、急に胸が苦しくなった。少し休んだ後に片付をしていると、全身の筋肉が痛み、だるくなった。
 
陳お婆さんは、すぐに病院の家庭医学科に掛かり、心臓を検査してもらったが原因は分からなかった。翌日、娘に付き添われて台北慈済病院で検査をしたところ、精神科の王慧懿先生は「空の巣症候群」と診断した。生活習慣を調整するように言われた。娘さんによくお婆さんに気遣うよう助言した。二カ月間通った後、お婆さんは次第に元気を取り戻した。
 
王慧懿医師によると「陳お婆さんのように一家団欒を楽しんだ後、子供達がそれぞれ帰って行った後、元気がなくなり、筋肉痛とだるさを感じて息苦しくなったという症状は、何かが引き金となって発症した情緒的な反応で、医学では『喪失発作症状』と呼ばれています。たとえば家族やペットがなくなった時、または節句の後の孤独感から引き起こされる情緒反応で、直ちに治療を受けないと症状は持続し、うつ病になりかねません」。
 

自分で喪失感を調整する

「空の巣症候群」とは、子供が成長して家を離れた時に親が寂しく孤独感を感じることを言う。親は子育てする必要がなくなって自分の存在価値が低くなるために起きる、様々な情緒の問題である。よく見られるのは、孤独感、悲壮観、元気がない、不眠症、頭痛、全身の筋肉痛、食欲不振、消化不良、胸の圧迫感、息苦しさなどである。これらは通常短期的な症状である。
 
時間をかけることで回復できる人もいるが、一部の人はタイムリーな治療を逃すと、さらにうつ病あるいはそれより深刻的な生理的病を引き起こすと王慧懿医師は言う。
 
高齢者は殆んどが定年退職しており、精神的に集中できるものが少なく、また長時間一人暮らしすることで、うつ病にかかる割合が高まる。臨床では、「空の巣症候群」が著しい患者には薬を処方したり心理指導し、状況が軽い患者には生活習慣を変えるように勧めることで症状を抑えていくことができる。
 
王慧懿先生による「空の巣症候群」改善の勧め:
 
規律正しい生活をする:規律正しい生活は、老人の心を穏やかなにし、節句の時の興奮状態を和らげ、「空の巣=寂しさ」から抜け出すことができる。
 
趣味を持つ:山歩きや旅行、絵画、撮影など興味のある活動に参加したり、ボランティア活動することで節句後の虚しい気持ちを方向転換させる。同じ趣味を持つ友達ができ、生活が多元化して豊かになる。
 
互いに思いやる:現在、IT製品による通信が便利になっており、親と子が相互に電話をかけたり、動画会話することで思いやりを伝え合うとよい。
 
医師は親を持つ人にこう注意を喚起している。両親の身心の変化に注意し、上記のような症状が現れたら、「思い過ごし」だと一言で無視してはいけない。細かく気を配り、愛と温かさを感じさせることが大切だ。症状が重い時は、專門医の診察を受けさせ、遅延によるより深刻な病気を引き起こしてはならない。規則正しい生活と趣味を持つことで「空の巣症候群」に陥らず、シルバーライフを楽しむようにしよう。
(慈済月刊六二八期より)
NO.278