慈濟傳播人文志業基金會
毎年廟に来て福をもたらす
二○二○年の春節の休みには、多くの人と同じように「走春(日本の初詣)」という習わしで台南市にある鹿耳門聖母廟に行った。その媽祖廟は多くの参拝者が供える線香から立ち上る煙が巨大なことでその名を馳せている。春節や吉日には各地からの信者や観光客が訪れ、香を焚いて神様を祀り、平和と幸福を祈る。
 
毎年、旧正月の初日から五日までは観光客の数が最も多く、一日平均延べ十数万人が訪れる。廟の同意を得て、慈済ボランティアは展示ブースを設置し、五日間続けて交代で参拝者に環境保全と静思語を紹介した。また、リサイクルボランティアの姿も呑み込まれそうな人混みの中で際立って見られた。廟の前の石獅子(せきしし)脇でボランティアが腰をかがめて、ごみでいっぱいになった袋から回収可能な資源を探していた。そこにある資源はボランティアの目には宝の山に映り、回収するのはお金が目的ではなく、心が休まるからである。彼らは地球への負担を減らすことを何よりも重要だと考えているのだ。
 
一年に一度の春節にもかかわらず、甘んじて休みを返上して喜んで大衆と良縁を結んでいる彼らの精神に、私は敬服した。彼らは「作業の間は疲れますが、終った後は充実感を感じます」と言った。おそらく、それはボランティアにとって「心」から新年を喜びあって過ごすという形なのであろう。

加護、祝福、平和を祈願する

新型コロナウイルス(COVIDー19)の感染が多くの国に広がったので、今年、廟にお参りに来る人は皆マスクを着け、感染予防の中で、自分と家族のために敬虔に線香を上げて無病息災を祈っていた。
 
この廟には「鑽轎脚(神輿くぐりのこと)」と呼ばれる伝統的な儀式がある。信者は神様が乗る「御神輿」の下を這って潜り抜けるのである。それは神々を尊重し、ひいては疫病や病苦や厄災から解放されるよう加護と祝福を祈るものである。信者が次々と「神輿くぐり」のために列をなしている間、慈済のリサイクルボランティアは傍で一刻も休むことなく、ゴミ箱の中から回収可能なものを拾い続けていた。リサイクルに精を出すことで環境汚染を減らし、地球の健康を守っているのだ。證厳法師は「リサイクルボランティアが環境を守り、捨てられた資源を回収して再利用するのは、地球を守るだけでなく、人類をも守っているのです。環境保全活動は善行であり、自分にも幸福をもたらしているのです」と言ったことを私は覚えている。

楽しいエコゲーム

 
廟の境内はとても広い。本堂の大雄宝殿に行くと、格別に子供たちの目を引くエリアがあった。ボランティアが回収した紙ロール、段ボール、卓球などを使ってエコ・パターゴルフ場を作ったのだ。子供たちは竹竿でできたパターを使い、ボールをカップに入れると次のコースに進むことができる。一連のゲームには健康的な食事、節水方法、菜食の利点、環境に優しいマイ食器の携帯などのテーマが盛り込まれている。それは慈済ボランティアの呉麗姮(ウー・リーホン)師姐(スージエ)のアイデアで、彼女は理論や知識を楽しいゲームに変えて興味を引き出し、体を動かして達成感が得られるようにした。理論的な教育より遊びながら学ぶ体験の方が教育の効果は著しい。
 
さらに、彼女は自ら現場に行って人々とふれあい分かち合った。三世代(祖父母、父母、子)が一緒に集まる機会は多くないと知って、彼女は楽しく学べる活動を通じて、子供たちと交流するだけでなく、家中の年長者と交流することもできれば、とても有意義だと考えたのだ。来年はより多くの人と縁を結ぶ機会を得て、環境保全と健康を生活の中で実践できることを期待した。
 
さらに、彼女は自ら現場に行って人々とふれあい分かち合った。三世代(祖父母、父母、子)が一緒に集まる機会は多くないと知って、彼女は楽しく学べる活動を通じて、子供たちと交流するだけでなく、家中の年長者と交流することもできれば、とても有意義だと考えたのだ。来年はより多くの人と縁を結ぶ機会を得て、環境保全と健康を生活の中で実践できることを期待した。

正しいことは堅持して行う

聖母廟の近くに住んでいる慈済ボランティアの周淑茹(ジョウ・シュールー)師姐(スージエ)は、以前、元宵節(旧暦一月一五日)の後、廟に大量のゴミが残っていたのを見て、リサイクルボランティアの精神を發揮し、一人で回収可能なものを拾い集めた。そして二○一○年、黃惠珠(ホアン・フイジュー)師姐(スージエ)と他のボランティアを誘って、春節の休みに廟でリサイクル活動を始めた。今年で満十年になる。
 
淑茹師姐は感じる所があってこう言った。毎年の活動では人手が要るのだが、春節期間はボランティア自身もそれぞれ家庭の行事で忙しい。また、ボランティアの交通安全を配慮しなければならない上に、自分自身も計画を立てて段取りをつけることが得意でなかったため、春節の休日が近づくと気が重くなり、一度は活動を止めようかとさえ思ったこともある。気分がむしゃくしゃすると、彼女は敬虔に菩薩に祈った。『静思語』を開くと丁度、「どんな分野にいても、持ち場を堅守して精進すれば成功する」という言葉を目にした。強心剤のようなその文句は師姐にあれこれ考えることを止めさせ、正しい事を堅持し続けさせた。
 
今日の廟はいつもと変わらず、人出も通常通りだが、淑茹師姐の環境保全に対する考えは変わらない。そして、一群のボランティアが活動に協力してくれている。会場の準備から回收物の運搬、ゲームの設計、環境保全の呼びかけに至るまでそれぞれが持ち場で励んでいる。それは師姐が最も感謝し、喜びを感じていることである。
(慈済月刊六四〇期より)
NO.285