慈濟傳播人文志業基金會
次の食事は「きのこ」にしましょう
きのこ類には抗酸化作用があり、蛋白質と繊維質などの栄養に富んでいる。ベジタリアンが注意すべきことは、揚げ物を控えること。それは低カロリーのきのこ類を高カロリーに変えてしまう。非菜食者も肉類の代わりにきのこを上手に使って、野菜類の摂取量を増やすことができる。
 
娘のクラスに一人の外国人クラスメートがいる。両親ともに仕事があるため、お祖母さんが面倒を見ている。先日偶然にもそのお祖母さんに会い、挨拶を交わした。彼女は「この国の子供たちはどうして朝食はパンだけなのですか」と私に聞いた。お祖母さんの表情から見て、彼女が気にしているのはその答えだけではないと直感した。それで私は「あなたの家の子は朝食に何を食べているのですか」と聞いた。
 
多分、お祖母さんに関係ある事を聞いたのだろう。両眼を光らせ、眉を上げて「私は五時に起きて孫に朝食を作ってあげているの……」と言った。その様子を思い浮かべると、お婆さんが食材をまな板に置いて野菜を刻んでいる時、私はまだ暖かい寝床の中で夢を見ている。そしてお婆さんがギョウザを作り終えた時に、私の目覚まし時計が鳴っている。実に面白い。
 
私は三十分のうちに朝食を作ってキッチンを片付け、支度して、七時に子供と一緒に出掛け、学校まで歩いていく。時間が限られているので、私の朝食レシピはとても簡単である。
 
私はよくパオピン巻きを作る。既成の全麦のパオピンを使い、具にレタス、きのこと豆腐干(とうふかん)を使えばすぐ食べられる。急ぐ時は、パオピンにケチャップを塗って、フレッシュマッシュルーム、ミニトマト、パイナップル、少量のチーズを載せて、オーブンで焼く。我が家には炊飯器とオーブンしかなく、この二つの小型電気器具が料理する時のベストヘルパーである。
 
娘が焼き飯を食べたい時、私は前の晩に冷飯を準備し、人参、しいたけ、フレッシュマッシュルーム、コーン、豆腐干(とうふかん)などを切っておき、翌朝、直接炒めて弁当箱に詰める。でなければ、パスタを用意してトマトとフレッシュマッシュルームを入れれば、簡単で栄養満点である。
 
お婆さんは、私の毎朝の食事レシピに殆どマッシュルームが出てくると聞いて眉をひそめた。「きのこを食べすぎると、体によくないと、テレビの番組で言っていましたよ」。しかしどうしてよくないのかは、お婆さんも覚えていなかった。
 

きのこのメリットは多い

今年の三月、シンガポール国立大学の研究者が一つの研究結果を発表した。きのこ類(即ち、えのき茸、どんこ、マッシュルーム、しいたけ、缶詰のマッシュルーム)の摂取量と軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)に関係がある。
 
研究者は二〇一一年から二〇一七年まで六百人の六十歳以上のシンガポール在住の中国系高齢者の健康状況を追跡したところ、毎週三百グラム以上のきのこを摂取していた高齢者と、百五十グラム以下を摂取していた高齢者を比較した結果、前者は軽度認知障害に罹る確率が五十パーセント低かった。
 
研究結果が示すように、マッシュルームに高濃度のエルゴチオネイン (強い抗酸化作用を持つアミノ酸の一種)が含れていることが原因かもしれない。エルゴチオネインには抗酸化作用がある他、消炎効果もあり、脳細胞を保護する作用がある。人間の体は自分でエルゴチオネインを製造することができないため、大自然から摂取するしか方法がなく、きのこ類はその来源の一つである。
 
ベジタリアンはきのこ食を多く選択することができるが、きのこ類を魔法の食材だと思う必要はない。きのこの蛋白質含有量は一般の野菜に比べて高い方だが、菜食レストランでのきのこ料理は、オイスターマッシュルームやフレッシュしいたけにメリケン粉をまぶして油で揚げてからソースを添えて食べるのがよく見られる。巷の軽食店でも揚げきのこが多く、結果として低カロリーだったきのこがハイカロリーになってしまっている。
 
野菜摂取量が不足している非菜食者は、肉類の代わりにマッシュルームを使うことができる。例えば、ハンバーグの肉の代わりにポートベロマッシュルームを使つたり、豆腐の上に載せるミンチの代わりに細かく切った様々なきのこを代用して蒸す。また、サンドイッチのハムの代わりにボタンマッシュルームを使用したり、バーベキューの時に一部の加工肉類の代わりにマリネしたエリンギを使えば、更に健康的である。
 
一般的に肉類の脂肪含有量は低いとは言えず、コレステロールの来源の一つである。しかし、きのこ食材にはこのような問題がないばかりか、逆に豊富な食物繊維が含まれている。この他、マッシュルームに含まれているベータグルカンは体の免疫力を高めることができる。
 
私たちはスーパーマリオのようにキノコを食べ、ポパイのようにほうれん草を食べよう。キノコ類の栄養価は高いが、多様化した飲食こそが基本である。
 
マッシュルームには抗酸化作用と消炎効果があり、脳細胞を保護する作用がある。キノコ類をハンバーグの肉、豆腐の上ミンチ、サンドイッチのハムなどの代わりに使えば、健康にとても有益である。
(シンガポールの栄養士に基づいたもの) (慈済月刊六三三期より)
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