慈濟傳播人文志業基金會
清らかな泉で 人心を浄化しよう
「慈済」という一枚の新聞によって、慈済人文志業は幕明けした。五十年前の七月二十日に出た創刊号は、たった一枚の新聞の体裁で、募金者の名前が細かく記録されていた。こうして集められた浄財で救済活動を行っていたことに、早期の艱難辛苦を窺い知ることができる。
 
その後、一枚の新聞から二枚、三枚に増え、さらに月刊誌になり、慈済の歴史、真実の出来事、慈善の伝達、医療、教育や各志業など、報道内容は充実してゆき、読者層も広がっていった。
 
時代の変遷に伴って、慈済人文志業は白黒の平面媒体から、さらに大愛ラジオ、そして科学技術を駆使した大愛テレビも生まれ、それぞれ社会に広く清流を流して、人心浄化の速度を加速させている。
 
メディアはよい話を伝え、よい事を奨励するのに最良の手段である。人々によい事を知らせ、感動した人々がまた喜んでそれに応えてこそ、この世は幸せになることができる。
 
メディアは本来、時代の方向に民衆を導くものである。だが、今は視聴率を求めるがために焦り、負の現象や批判の声を誇大して報道しがちだ。すると、悪いことばかり毎日見聞きしている人々は、互いに不信感を抱くようになり、さらには恐怖や不安を増してしまう。「一人がついた嘘が万人に真実として伝わる」と言った人がいる。こうなると、いつしか社会は騒乱の様を来すだろう。
 
こうした風潮の中で、清流を伝えることは容易ではない。だが慈済のメディアは、「真実の正しい出来事を報道し、人々の心を安定させる」ことを使命としている。人々が互いに愛し助け合う美しい善のストーリーを、真実のまま正しく伝え、大衆を導く。そして社会の目となり耳となって、人々の視野を広げ、この世で起きている出来事の真実を伝えて、正しい方向を指し示すことに努めている。
 
慈済人文志業に携わる職員同志と世界中の筆耕ボランティアが、人々に社会の温かい面を伝えていることに感謝している。医療は生命を救うが、メディアは慧命を救う。文章や写真、映像によって人々の心を動かし、善と愛を波及させる。人々が真心で付き合い、互いに信じ愛するなら、この世は穏やかで平安になることができる。
 
静思語
【楽しく過ごそう】
 
人間の生老病死はごく正常なことである。
これらのために煩うより、毎日を陽気に過ごそうではないか。
 
No.249