慈濟傳播人文志業基金會
心して人生の道を照らそう
台湾では病院や駅のような公共の場で視覚障害者があん摩をしている光景をよく見かける。彼らが積極的に外に出て仕事をする姿は、一昔前の台湾では想像できない光景だった。失明によって自立するための生活能力を失い、殆ど他人のケアに頼るしかない彼らには、光明も希望もなかった時代だった。
 
慈済の慈善奉仕の一つとして、二〇一六年に視覚障害者のケアプロジェクトが立ち上げられ、台湾盲人再建院と公益で協力し合って、院内の丙級マッサージ師養成講座の経費を支援している。また、生活が苦しい学生には家庭訪問をして寄り添う。中には養成講座に参加しながら学生の課外活動に付き添う慈済ボランティアもいるので、学生は日常の活動以外の世界を体験することができる。
 
この盲人再建院は、アメリカ人で牧師夫人だった孫理蓮さんの支援により一九五〇年に建てられた。中途視覚障害者に職業訓練を提供すると共に、台湾で初めての点字の出版社と図書館を併設し、視覚障害者が単独で安全に歩くための歩行訓練に取り組むなどで、自立した生活を再建できるよう、また社会福祉が得られるよう積極的に手助けしている。その後台湾経済が一九八〇年代に目覚ましく発展すると、民間による「就職支援」が始まり、やっと視覚障害者にも手に職をつける道が開けた。
 
衛生福利部の統計によると、台湾の視覚障害者の八割が後天性の疾病や事故による中途視覚障害者であり、その比率は増える傾向にある。先天性視覚障害者と比較すると、中途視覚障害者は生活面と心理的にも大きな打撃を受けるので、それを自分一人で調整するのはとても困難である。内心の暗黒から出るまでには多くの人の善意や社会福祉団体の支援が必要なのだ。
 
本期の特別報道では、台湾盲人再建院の中途視覚障害者に対する指導の努力が語られている。院長の張自女史によると、以前この養成講座を受講したある学生が、職業と生活の再建に訓練がこんなにも役立つことをもっと早く知っていれば、十年間、家に閉じこもって無駄に過ごすことはなかったと言っていたという。
 
以前、再建院が調査したところ、その地域だけで約四百人の視覚障害者が自立訓練を受けていないことが分かった。彼らの活動範囲は自宅に限られ、二度と職業に就くことができないと思い込んでいたそうだ。
 
この六十年余り、再建院は無償で視覚障害者に支援を提供していたことから財政難に陥ったため、四年前、慈済から支援を受けることで縁を結んだ。五十年以上前に慈済功徳会を設立した当初、證厳法師は遠く台東まで行って、墓地脇の小屋に住んでいた視覚障害者のお年寄りを見舞い、治療のため台中の眼科まで連れて行ったことがある。ただ長い間治療していなかったので、手術しても視力は回復できないと診断された。その後、慈済は長期的に毎月の生活を補助した。
 
昔に比べて、今の台湾社会では、視覚障害者に対するケアが具体的になり、物質上の支援以外に専門的なケアを提供し、彼らが「能力を失った」というマイナスのレッテルから解き放たれるよう、社会復帰の後押しをしている。しかし、未だに困難を乗り越えられない障害者の心に光が差し込むようになるには、より多くのボランティアが細心に寄り添うことが必要となる。
(慈済月刊六三九期より)
NO.280