ボランティアが国境を超えてリレー式に繋がり、
全植物性飲食の「健康チャレンジ21」活動を推し広めている。
若者はテクノロジーを駆使して、
バーチャルとリアリティを組み合わせて親しみやすい菜食マップとレシピを作り、
菜食することで心身ともに気持ちよく、
スッキリ且つ幸福感を感じ取ってもらっている。
マーレシアでは半数以上の成人が体重オーバーで、四割の人はコレステロール値が高いのです。研究報告によれば、高血圧の人がコロナに感染した場合、ICUに入る機会が九割に高まります」。マーレシア人医会の陳成亨(チェン・ジョンフン)医師は、オンラインで全世界の慈済ボランティアに、このように紹介した。「全植物性飲食」は体重を減らし、コレステロールを下げると同時に血糖値も改善できるため、彼らはチームを結成して、「健康チャレンジ21」活動を始めた。考案した「ヘルシー弁当」は、二分の一が野菜と果物、四分の一が植物性タンパク質、残り四分の一が全粒穀物で、乳製品や卵を避け、少量の塩、砂糖、油しか使っていない。しかし、水分は多く摂る必要があるそうだ。
現地のレストランと提携し、慈済人医会医師と栄養士の指導の下に、昼食と夕食用の二十一日間の全植物性飲食を実行するのだが、参加者は始める前と後に血液検査をする。この一年で、二千人以上が参加し、その内の八百人が検査を受けたところ、殆どの人は体重が減少し、九割もの人のコレステロール値、そして七割以上の人は血圧の値が下がった。全植物性飲食は薬や医療に取って代わることはできないが、身体を健康な方向に向かわせることはできることが分かる。
香港、シンガポール、インドネシアと台湾の高雄、花蓮、新竹、嘉義、新北市などの慈済コミュニティボランティアは、クラウドを通して経験を積み、チームを結成して同じ活動を広めることにした。最初に呼応した高雄市では、更に参加者に「核心基礎運動」を取り入れた。花蓮市では、困難を乗り越えてエコ弁当箱の使用に漕ぎ着け、環境への負荷を減らせるようにした。
二十一日間のチャレンジ期間中、イベントチームは毎日、各人の朝食レシピを公開すると共に、週末に健康と栄養に関する知識を交流したり、時間に決められた場所に弁当を受け取りに来た人に声をかけたりして、参加者に温かさと寄り添いを届けている。花蓮地区でイベント窓口を担当した簡美婷(ジエン・メイティン)さんは、「まだ外食に頼っている人もいますが、既に全植物性飲食という概念を持っており、飲食の選択を習慣にして警戒心を高めています」と言った。
どれだけの生命を守れるか
ネットを利用した交流から菜食に親しむ
若いボランティアたちは、ネットを通じて「菜食推進チャレンジ」を展開した!
去年三月から、高雄ボランティアの蔡雅純(ツァイ・ヤーチュン)さんは、身近な菜食者の友人から「オススメリスト」を寄せてもらい、それらを菜食マップにして、若いボランティアたちが開設した勉強会「軽発孝(孝心を発心する若者の意)」のファンページにアップロードした。「参考書」として、より多くの人が菜食の美味しさを探索することに期待している。
また他に、自作のコミュニティ菜食マップをシェアしている団体には、桃園ボランティアの呉晋毅(ウー・ジンイー)さんと魏琬樺(ウエイ・ワンホア)さんの仲間たちが立ち上げた「飽読詩蔬(野菜と果物の勉強)」チームがある。魏さんは、「菜食は草を食べること」や「値段が高いのに満腹にならない」という昔からの概念を覆す必要があると考え、そのためにチームは区域内の菜食レストランから調査を始め、感染防止警戒レベル3の期間中、生姜焼きライスバーガーのような在宅向けのレシピを公表した。今後は「蔬食心煮意(菜食を心に決める)」と題した動画を制作して、桃園地区のボランティアが手作り料理を紹介し、栄養士の解説を添える予定である。
チームが制作した「あれからいかがお過ごしですか?」という動画三話は、コロナ禍の経営危機をどのように克服して来たかについて、菜食レストランにオンラインでインタビューしたものだ。桃園市亀山区にある菜食の店は、菜食のB級グルメを販売しているが、経営はコロナ禍の影響を受けていた。おかみさんは若い人たちの励ましに感謝した。地元の店をサポートするだけでなく、外食が多い人にも美味しい菜食を提供できる手伝いをしたいと思ったことが、チームの初心だった。
去年三月に立ち上げた「食レポ番組・菜食で変わる花蓮」のファンページでは、コロナ禍でロケーション撮影が難しかった時、「コックのVプラン コロナ禍でも一緒に料理しよう」という企画を打ち出し、全世界にいる動画投稿者に呼びかけ、それぞれの地区のユニークな在宅防疫料理をアップロードした。
海外ボランティアの菜食参加活動としては、シンガポールボランティアの楊雯婷(ヤン・ウエンティン)さんが「食レポ」の現地プラットフォームを開設したり、マーレシアセランゴール慈済人が「Tasty Vege」ネットサークルを始めたりして、菜食の調理方法などの動画やレシピを共有している。また「ヨーロッパ菜食趣E-Veggie」と題して、シェフがスーパーで売っている食材を使って美味しい菜食を作る様子をシェアしている。
疫病が蔓延する今、新型コロナを根本から治す「特効薬」はまだない。だが、全植物性飲食による医学的数値に表されたように、多くの人は明らかに健康数値が改善しており、「食べ物は良薬」であることを証明している。菜食生活は、決して難しいことではない。ボランティアはテクノロジーを駆使して、バーチャルとリアリティを組み合わせ、親しみやすい菜食マップとレシピを作った。菜食をして心身ともに爽やかな気分になろう。スッキリして幸福が感じられる!
(慈済月刊六六一期より)
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