慈濟傳播人文志業基金會
気候変動が健康に与える影響

地球に影響を与えているのは人為的なもの

気候変動と人間の健康には深い関係がある。

台湾から唯一パリ気候変動枠組締約国会議の医療関係者による会議に招待された病院として、慈済病院の医療関係者は素食と院内環境保全の経験を語った。個々の人間が行動を変えれば、気候変動を改善できると強調した。

 

「二十一世紀に人類が直面する最大の問題は気候の変動と環境問題です。私たちはすぐにそれを食い止めるべきであり、手の施しようがなくなってから行動を起こそうとしても遅いのです」とWHO公共衛生及び環境署署長のマリア・ネイラ博士がパリで行われた第二十一回気候変動枠組締約国会議(COP21)で語った。台湾の大林病院副院長である林名男も同感だった。

百五十カ国の元首と百九十五カ国の政界、学術界、医学界、工業、農業、製造業、芸能界、メディア、人権団体などからの専門家や学者など四万人がCOP21に出席し、付随的な会議も六百回開かれた。

台湾は国連気候変動枠組条約の正式な条約締結国ではないため、政府関係者はNGOや工業科学技術の学者という立場で参加した。「健康ケアと気候に関するリーダーシップ円卓会議」に招待されて参加したアジアの国の代表では、インドと中国のほかは韓国の病院と台湾慈済病院のみだった。

大林慈済病院の林名男副院長と地域医療部の顏采如が慈済医療志業を代表して、病院の気候変動に対する行動を説明した。「私たちは十一月に起きたパリ同時多発テロに怯えて欠席するようなことはなく、慈済が行ってきたことを世界に知ってもらうべきだと思っています」と林副院長が言った。

「二十数年前から上人が、拍手する手でリサイクル活動をしようと提案してから、私たち医療志業でも省エネや二酸化炭素の排出減など、環境保全方面において一定の努力が認められ、今回の気象サミットに参加することができました」と林副院長は自信を持って言った。

林名男副院長(左)は大愛感恩科技公司の製品「リサイクルマフラー」を手に持って、国際医療害のない団体のギャリー・コーン主席と意見交換した。(写真の提供・顏采如)

 

食習慣が世界を左右する

 

二〇〇九年、COP15がコペンハーゲンで開かれた時、なぜ気候変動会議で医療と健康分野の人が参加していないのか、疑問が投げかけられた。氷山の溶解やホッキョクグマの絶滅危機に世界の関心が集まったが、もっと深く掘り下げて化石燃料を燃やした時に生ずる大気汚染による人体への影響を見つめるべきであった。世界中の屋内と屋外の大気汚染によって死亡した人数はエイズと肺結核、マラリアなどを合わせた死者数よりも多いのである。

気候変動が直接的または間接的に人類の健康に影響を与えているため 、極端な気象や飢饉、蚊が媒介する伝染病などによる死亡率が既に上位五位になっている国もある。COP21で初めて気候変動と健康の相関関係を重視した。林名男副院長たちは十二月三日から三日間続けて「健康ケアと気候に関するリーダーシップ円卓会議」に参加して三十カ国の代表と討論したほか、気象サミットの付随的な会議である「国際医療害のない団体座談会」などにも出席した。

林名男は「素食と環境の関係」という題で講演した。資料で示すように、一キロの牛肉を生産した時に排出される温室効果ガスは野菜を生産した時の六、七十倍以上に達し、その上大量の水と農薬、肥料、エネルギーがその過程で消費される。

樹木は二酸化炭素を吸収できるが、大量の雨林が伐採されて大豆やトウモロコシなど飼料に使うものを栽培すれば、大気中の二酸化炭素は増える。大豆やトウモロコシを豚や牛の飼料にすれば、動物はメタンガスなどの温室効果ガスを大気中に排出する。とくに羊や牛は万単位で飼育されるため、そのガスは膨大な量になる。

そして、肉類は冷凍による鮮度保存、長距離輸送でのエネルギー消費、料理する時の解凍など、一連の過程で必要とするエネルギーと排出される温室効果ガスは膨大なものである。ある学者はその会議で、最新の研究によると、肉食は癌の一因であることが判明したと発表した。

慈済病院では長期に渡って素食を推し進め、二〇一一年の六つの慈済病院は合計二百五十四万三千六百六十九食分の素食を提供したが、それは二百四十三万九千三百七十九キロの二酸化炭素の排出削減をしたことに他ならない。

「食と生活習慣の気候への影響は非常に大きいのです。世界を変えようとするなら、食習慣から変えなければなりません」。林名男のこの報告は数多くの国際的な医療や健康産業のリーダーの関心を集めた。中でもアメリカのブレナ・デービスとネパールのマエシュ・ナカーミは、これまで食のエコに対する影響をあまり考えて来なかったと感想を述べ、会議の後に林名男の所に来て教えを請うた。

大林慈済病院の顏采如、林名男とマレーシア、クアラルンプール支部の記者である黄照峰。医療の気候変動への挑戦に関する賞を代表して受け取った。(攝影・林志勇)
 

二酸化炭素排出削減、災害復旧、リーダーシップ

 

慈済医療志業と国際害のないヘルスケアグループ(HCWH)は長年協力してきたパートナーである。HCWHは近々、世界の病院を招待してグローバルグリーンアンドヘルシーホスピタル(GGHH)ネットワークに参加してもらい、「二〇二〇ヘルスケア気候チャレンジ運動を始める予定である。二酸化炭素排出削減(Mitigation)、災害復旧力(Resiliency)、リーダーシップの三大課題から各病院が二〇二〇年までに独自の目標を設定して気候変動の緩和に対して努力し、実証しようとの試みである。

慈済医療志業体はWHOの「健康促進病院国際ネットワーク」の一員であり、慈済医療志業体の林俊龍執行長は「健康促進病院及び環境に優しい委員会」の主席を務めている。気象サミットが始まる前、健康促進病院国際ネットワークはすでにいくつもの会議を開催し、林俊龍と各国の医療団体は認識を共有した。慈済の六つの病院は素食と健康的な食の推進を確約した。動物タンパク質から植物タンパク質に変えた場合、温暖化ガス削減ができると共に、栄養も十分に摂取できるため、気候変動の緩和に着実に貢献している。

COP21では、医療の気候変動への挑戦賞(Healthcare Climate Challenge Championship Award)の授与式が行われ、慈済医療志業が大きく認められた。大林慈済病院がリーダーシップ金メダルと災害復旧力銀メダル、台中慈済病院が災害復旧力金メダル、関山慈済病院が災害復旧力銀メダルをそれぞれ獲得した。

 

病院の役割

 

「健康促進病院及び環境に優しい委員会」の窓口である顏采如は公共衛生及び健康心理学の専門家であり、COP21に参加して感じることが多く、自ら課題を掲げた。

一つは、台湾と他国の病院及び地域社会の連携を密にし、重大な災害が起きた場合に全員が役割を担うことである。

それも病院の復旧力とリーダーシップに関係しており、医療人員や大衆、患者に災害時にすばやく対応できるようにさせるだけでなく、復旧力を養うことでもある。

そしてもう一つ、気候変動の問題を重視すること。「私たちが患者のケアをよくしても、患者が社会に戻り、住環境が汚染されているために再び病院に戻るような悪循環が起きては意味がありません。ですから患者の住環境が健康的で、病院に戻る必要がなくなるのが私たちの最終目標なのです」。良い住環境から生命を守り、ケアの質を向上させることで健康を守ると共に、地球の温暖化を抑えることで愛を守ることが上人の言う「清浄は源から」であることを顏采如は悟った。

「やっていることは微々たるものにしか見えませんが、その効果は絶大であり、皆がその観念を持っていれば、自分の行動や生活において正しい方向に向くことができるのです。たとえば私が素食し、自前の食器を持ち歩き、できるだけ歩くようにしているように、です」と顏采如が言った。

2015年11月13日夜、フランスのパリで連続テロ事件が発生し、多くの犠牲者が出た。怯える人々の心を慰めるため、慈済は12月6日に祈りの会を催し、COP21に参加した人員を招待して感想を述べ合い、合同写真を撮った。(写真の提供・慈済クアラルンプール支部)
 

自分の行動から地球に影響を与える

 

二〇〇九年三月十四日、台湾素食栄養学会が設立したが、林名男副院長はその時から今に至るまで素食を続けている。これまでに素食に関する文献を読み、素食による栄養の研究をしてきたが、健康と環境に対する素食の良さを理解するようになり、自信を持って一家で素食をしている。

二〇一〇年、「健康促進病院及び環境に優しい委員会」が設立されたが、林名男は海外で会議に参加した時、必ず素食について触れている。それは慈済の特色を出すためだけでなく、健康に有益だからである。もちろん、病院によってはそうすることに困難が伴うところもあるが、林名男は少しずつ行うよう勧めた。一月に一回から週に一回というように次第に進めていけば、いつかはその成果を見ることができるのである。

「世界の人口は七十億で、全ての人が週に一日素食すれば、十億人が素食しているのと同じことになります。そうすれば、肉食して排出している二酸化炭素を十四パーセントも減らすことができるのです」。そして自前の食器類を使用し、節水、節電、資源の分類と共に、消費を抑え、簡素な生活など各個人が生活習慣を変えれば、気候変動の改善に期待が持てるようになると林名男は強調した。

連日の会議を通して、林名男は同僚の顏采如や慈済アメリカの若者、マレーシア大愛テレビ局の人も参加しているのを見て、自分たちの理念を世界の人に伝えていることが慈済だけでなく、世界に希望をもたらすだろうと感じた。

「今回、十数日間、パリの師兄や師姐たちのお世話になり、とても感謝しています」。林名男は次にパリに来る時は、慈済ボランティアの情熱を感じるだけでなく、世界の気候が改善されていることに期待した。

(慈済月刊五八九期より)

 

❒豆知識
 
牛肉類を1キロ生産する時に発生する温室効果ガスはニンジン1キロを生産する時の6、70倍以上になる。その上、生産過程で大量の水と農薬、肥料、エネルギーを消費する。
 
❒豆知識
 
世界の人口が70億で、皆が週に1回素食すれば、毎日、10億人が素食していることになり、肉食のために排出される二酸化炭素を14パーセントも減らせることになる。その上、自前の食器類を使用したり、節水節電や資源の分類など簡単にできることを一人ひとりが始めれば、誰もが気候変動を改善するリーダーになることができる。
 

 

NO.230