慈濟傳播人文志業基金會
台東「仁愛の家」
多機能型介護療養住宅の入居開始
老いてケアを受ける 慈済の建設支援
 
台東の「仁愛の家」は県政府の紹介を通じて、一人暮らしや低収入、心身障害の高齢者を主なケア対象にしています。そのケアの質は良いのですが、部屋が狭いのでこれ以上入居者を受け入れることはできないため、慈済は多機能型介護療養住宅の建設を支援し、入居者にゆったりくつろげるリビングやリハビリのできる環境を提供しました。
台東仁愛の家「互愛楼」は1年半の建築工期を経て、6月30日に入居式が行われた。来賓はそのゆったりした年長者にとって住みやすい環境を見て喜んだ。(撮影・陳信安)
 
すでに高齢化社会に突入した台湾ですが、台東は高齢化が最も著しい地域です。二〇一八年十二月の統計によると、高齢者人口は三万五千人余りに上り、県人口の十六パーセントを占め、全台湾の平均値を超えました。
 
高齢化に伴う生理機能の低下、能力障害、慢性病及び事故などによる心身機能障害を持つ人の割合が増え、老人ホームや養護ホームを含めた長期ケア施設の需要も増えています。
 
「仁愛の家」に住んでいる一人のお爺さんは、「昔は子供を育てて、自分が年を取ったら子供にケアの義務を果してもらおうと思っていましたが、現在の社会では家庭観念が大きく変化し、子供にもそれぞれの家庭事情があるため、そういう考え方はもはや通用しなくなりました」とため息交じりに言いました。「幸いにも幾つかの慈善団体が我々のような年寄りを引き取り、二十四時間ケアによって安心して過ごせる場所があり、歳をとっても尊厳を持って生きていくことができるのです」。
 

●60年近い歴史がある台東仁愛の家は、建物が老朽化し、全体的にも手狭であったため、これ以上理想的な環境を提供できなくなっていた。(撮影・劉文瑞)

高齢者をケアして六十年

台東は台湾の東部に位置し、太平洋に面して多くの山に囲まれ、住民の民族も様々です。社会の経済面から見ると、農業が主体の台東は、台湾において長らく収入と寿命が最も低い県でした。
 
台東市にある仁愛の家は一九六〇年に創設され、最初は「私立台東救済院」でしたが、一九八九年に「仁愛の家」に改名されました。主任である林鴻祺さんによると「仁愛の家」の住民は延べ千人以上で、二十年以上や十年以上住んでいた人も何人かいたそうです。
 
「仁愛の家」が建てられてから六十年近くになりますが、「慈善」の宗旨に基づき、身寄りの無い老人や心身障害者を受け入れています。中でも低収入の住民は七十パーセントを占めており、先住民の占める割合は四十%近くになります。政府の許可を得たベッド数は百十九床ですが、近年平均の入居者数は百十五人に達し、長期的に満員状態になっています。
 
「仁愛の家」と慈済の縁は十三年前に、ボランティアがホームで高齢者に付き添うことから始まりました。時には慈済の紹介で長期ケア対象者を受け入れてもらうこともありました。ボランティアの王武弘さんは、「ホームは心身障害者にケアを提供しています。輝かしい過去を持っていたのに事故に遭い、心身ともに苦しんでいる人もいましたが、慈済ボランティアは彼らの生活に寄り添い、笑顔と慰藉に満ちるようになりました」。
 
二〇一五年、慈済基金会は「仁愛の家」が手狭になっていたことを知り、入居者が快適に暮らせる場所を提供するために、多機能型介護療養住宅の建設を決めました。それは慈済が創設されて五十三年で初めて民間の慈善機構を支援したケースです。
 
二〇一八年一月八日から工事がスタートしました。台東の黄健庭県長は式典で、「県内には十三カ所の老人福祉機構があり、総ベッド数は七百三十床で、使用率は八十五%を超えているため、二、三年内に満員になると予想され、ベッド数を増やすことは必須となるでしょう。仁愛の家の増設により県内のベッド数は八十床増えることになり、「仁愛の家」のみならず、台東県全体の老人ケアで大きく役立ちます」と述べました。
 
台東「仁愛の家」の三代目社長である李壬癸さんは、長年台東で事業に奮闘し、成功した後は感謝の気持ちでボランティアに力を入れ、地方において貧困者や弱者を助けて来ました。三年前に社長に就任した後、様々な業務を積極的に推し進め、慈済ボランティアが年長者をケアできるよう調整したり、祈福会などの活動を行って来ました。更に一昨年は理事達を説得して、ホーム内の食事を菜食にするよう推し薦め、二〇一八年一月三十一日からは三食全て菜食を提供するようになり、台湾で初めて菜食養護ホームとなりました。
 
将来も「仁愛の家」はより整ったサービスを提供し、慈済ボランティアも定期的なケアを行い、愛で以てホームの暮らしに寄り添い続けます。
●2018年1月から、台東仁愛の家での食事は菜食に変り、慈済ボランティアが入居者に食事のお膳を運んでいた。(撮影・劉文瑞)

慈済台東の慈善大記事

*台風モラコットとネパータックの被害に対し、被災者への緊急支援を行った。
*「防災希望プロジェクト」により9カ所の老朽化した校舎を再建した。
*台風メランティの被害に対し、大武郷愛國蒲集落に恒久住宅を建設した。
*「仁愛の家」で新たに施設を建設した。
 

建築の特色

生活、リハビリ、静養に適した多機能施設
 
●多機能型介護療養住宅は高齢者や行動の不自由な人のことを考えて3階建てに設計され、明るくて視野が開けたものにしている。
 
「仁愛の家」の多機能型介護療養住宅は、一階に視聴室、レトロ調の回廊、ブックカフェ、談話室、リハビリテーション室、食堂、キッチン、会議室及び事務所があり、二階と三階は養護施設になっており、ベッドルームとラウンジが設けられている。
 
中でも特に注意しているのが、入居者間の相互感染で、感染症対策として感染経路を制御できる設計で以って、住民により良い感染防止施設になっている。その他、消防面でも考慮されており、ベランダが非難経路になり、全ての部屋の窓には自動排煙装置が取り付けられている。
 
新しい施設は病院と同じ耐震設計を採用し、余裕のある空間を確保しているため、地域の緊急避難所として必要に応じた緊急災害非難センターになることができる。
 
●新しい多機能型介護療養住宅には、広い活動センターがある。今後、施設内の高齢者と近隣の民衆との交流場所として便利に使用できる。
(慈済月刊六三三期より)
NO.276