慈濟傳播人文志業基金會
誰にも同じ日の光

今朝のお勤めで香しい法の薫りに満たされた時、まるで宇宙に抱かれているようでした。

「夜のしじまに星と月が姿を表し、その静けさの中に私は一人佇む」と上人はおっしゃいました。

夜の暗闇は私たちの周りを見えなくしてしまう、ただ日の光のみが万物を照らし出す光明なのですと。

素晴らしい言葉に心踊りました。

ただ私はもう少し考えてみたのです。

夜の静けさを柔らかに照らす月の光、

その明るさに私は一人ではないと感じたのです。

時には、日の光をしのぐ温かさを感じたのです。

 

その頃何日か出かけることがあり、

一目につかない所をたくさん清掃しました。

埃がたまっていて驚きましたが、

ここを清掃する機会に恵まれたことを、

また幸いに思いました。

そのおかげでやっと気がついたのですよ。

月の光は美しいけれど、柔らかすぎて、隅から隅までを照らすことはできない、

日の光は何からなにまで見せてくれるので、

時には「なんということでしょう! ひどい!」とまで思うのですが、

汚れをきれいに落とした後、晴れ晴れとした情景が輝いて見え、

前にも増して胸躍るのです。

さらに思考を広げてみて、

気がつきました。

私たちにふりそそぐ月の光、

それも日の光の一部なのですね。

そう思うと、

もう夜にまぎれる必要はないのだと、

自分を励ますことができます。

自分に自信をもっていいのです、

誰もが無限の可能性をもっているのですから。

あなたも私も、

みな同じように日の光を受けているのですから。

 

❖作者:凌宛琪(お板さん)。慈済基金会の職員で、毎朝の「法の香に浸る」法会の入力作業を担当している。そして自身の心得をイラストを添えてインターネットで分かち合っている。

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