豊かな愛の心で、喜んで人助けをする、これが真の心豊かな尊敬のできる人
無量の愛を捧げれば
無量の福を受けられる
昨年始めの台南地震で、多くの幸せな家庭が一瞬にして地震と共に崩れました。倒壊した維冠金龍マンションに住んでいた洪さんは、十二時間も崩れた瓦礫の中に閉じ込められて重傷を負い、一時は心肺停止の状態でした。九カ月に及ぶ入院中に二十回以上の手術を受け、両足を切断されましたが、この度やっと成功大学病院を退院することができました。
台南での歳末祝賀会の席上で、證厳法師は地震の中で生き延びた生命の勇士たちについて話されました。その中で洪さんが家族や友人に励まされ、ついに心を開いて生を求め、勇敢に未来に向かっていることに触れ、「人生は無常です。今日一日健康で平穏無事に過ごせたことに感謝し、社会のために尽くさなければなりません。無事に過ごしている人は苦難の人たちを思いやり、愛の力を結集して、湧き出る泉のように愛を絶やさないことです」と話されました。
周黄秋香は貧しい家庭に育ちましたが、夫婦が共に努力した結果、事業が成功して楽しく暮らしています。今では、社会奉仕や環境保全ボランティアをして、地域の人々を誘い導いています。法師は彼女の善行を称えられ、経典の中に述べられている布施の功徳について説明されました。
迦旃延尊者は、貧しい老婆を見て心に喜びを覚えましたが、その人に布施をする能力はありません。尊者は托鉢の鉢を老婆にわたして、これで水を汲んでくるようにと言いました。老婆は喜んで水を汲むとうやうやしく尊者に供養をしました。そして尊者の説法を聴いた後、その夜安らかに大往生を遂げたのです。それだけでなく、敬虔な布施の功徳によって亡くなった後、天上で天女に生まれ変わりました。
「心の豊かな人はこの世の極楽にいるようです。善行奉仕を心得ている人がこの世の菩薩です」と、法師は皆にわずかなことと軽く見ず、一粒の米が俵となり、一滴の水が大河となって流れるように、わずかなことでも天下の善事を成し遂げることができるとお教えになりました。人々が社会の隅々にまで愛を以て奉仕し、愛の力が満遍なく注がれるように願っておられます。
まず苦しみを解いた後に
説法を行う
台南の委員慈誠座談会の席上で、法師は「無縁大慈、同体大悲」の心を持ち、縁を把握して苦難にいる人を助けるようにと言われました。そして、「貧富、職業、社会の地位の別なく、人々の愛も平等です。心をこめて喜んで人を助ける人は、心の豊かな人です」とおっしゃいました。
法師は各地の慈済人が長い間、忍耐強く苦難の人に寄り添い、その人たちが自立するまで見守っていることについて、「人を救うだけでなく、心も救うのです。苦しみが解決した後、法を説き聞かせなければなりません。苦難の人の心に善の種を植えつけ、未来の因縁に萌芽して成長するようにしなければなりません」とお教えになりました。
遠く長い菩薩道を、法師は皆が堅い道心と忍耐力を持ち、生々世々にわたって絶えず法を聴き、学び、群衆の中に入って、衆生と善縁を結び、見返りを求めずにやり遂げるなら、必ずや仏心に到達することができると励まされました。
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