❏静思語
気持ちがあって願があり、
人々が自分の力を尽くすなら、
社会は穏やかで平和になる。
優しい気持ちと善い行いで災害を妨ぐ
慈悲の心で抜苦与楽に尽くします。
四月二十二日は「世界地球の日」です。一九七〇年のこの日にアメリカの大学で環境保全活動が始まって以来、空気と大地の汚染問題に関心を向けるよう人々に呼びかけてきました。一九九〇年代、この日は世界的に環境保全を呼びかける日になりました。朝会の時に、證厳法師は「この数十年間、人類は環境が悪化してゆくことを気にかけず、さらに環境を汚染しました。環境保全とは口頭で呼びかけることではなく、あるいは一つの学問として討論することでもありません。人々が共鳴し共通の認識を持ち、そして一緒に行動することが必要なのです」とおっしゃいました。
南投県埔里鎭にある天后宮は媽祖(航海の神)祭の日、町を練り歩く行事を行っています。今年は環境保全をテーマとして、車は出さず、爆竹も、お供えの紙のお金を焼くなどの行為は一切せず、使い捨て食器ではなくエコ食器を使いました。お寺が食材を買ってきて、菜食料理のコックさんと慈済のボランティアに調理を依頼し、皆が協力して千五百人分の菜食ランチを作りました。そして環境保全を広めました。
證厳法師は、お寺は伝統祭事を伝承すると共に、人々に環境保全を教育したと評価されました。大勢の人が参加したこのお祭りは、始めから終わりまで穏やかに、滞りなく行われました。騒音やゴミなどの汚染もなく、また心も清く美しく保たれました。宗教の人々への教化という面が発揮されたのです。
フィリピンの慈済人と会談した際、證厳法師は台風三十号の被害を受けた被災地でフィリピンのボランティアが懸命に救援活動に当たったことを褒められました。證厳法師は、彼らがこれからも「合和互協」の理念を守って良い縁を大事にし、医療、教育、人文などの志業がうまく進むように頑張りましょうと励ましました。
證厳法師は五十数年前の最も難しかった時期に慈済をスタートしたことに言及しました。ただ心の底から苦難の人を憐れんでいたのです。どこかに助けを求める人がいれば、すぐに調査に行って、その後長期にわたって支援をします。一旦災難があったら、被災者の苦境を見過ごしはしません。そういう慈悲心で奉仕し、ただちに助けます。
「慈済の急難救助は貧困救済と慈善の礎に立っています。全身全霊ベストを尽くします。災難に遭っていない無事の人に対しては、思いやりの気持ちを啓発し、皆の力を寄せ集めて、力の限り助けてあげます。これは即ち「教富済貧(富める者に教え、貧しい者を救う)」です。證厳法師は「慈悲心というのは人々が幸せになるよう、人々が善行するように導き、人のため社会のために幸せを作ることです。そうしたら災難を減らすことができます」とおしゃっています。
「慈悲心を発揮すれば抜苦与楽をすることができます。被災者の苦境を見過ごすことはできません。今ある危険からすぐさま救い出し、困難を解決するためにさまざまな支援を行います。それからさらに一歩進んで、彼らの心を慰めてあげるのです」
證厳法師は「フィリピンの台風三十号災害の救済という行動は、慈済の典型的な慈善志業です。被災者が身も心も安心して過ごせるようにしてもらい、一時的な援助だけではなく、さらに長期間にわたって寄り添います。被災者が悪い生活習慣に染まっていれば、それを取り除くのをサポートし、真面目に前向きに生活するよう助けましょう。オルモック市にある慈済大愛村の村民は、村の環境と治安を維持するために、パトロール隊を組織しました」と言われました。
慈済人は「済貧教富」を基として、かつての竹筒歳月(慈済設立時、竹筒の貯金箱に少しずつお金を貯めて浄財にした時期を言う)のように、上へ向けた手のひらが下へ向けられるように、被災者を善行に導いています。證厳法師は「人を助ける愛の心は、自ら努力して向上するための原動力です」とおっしゃいました。
フィリピンは災難が多い地域です。證厳法師は、「災難を減らす方法は、まず人のために奉仕し、自ら修行し、そしてみなの敬虔な心に呼びかけて、全力で助け合うことです。さまざまな仕事が穏やかな環境で発展していくように、全体的に環境を改善しましょう。貧困を救い、苦しみを乗り越えさせるお手伝いをするのが慈済の慈善志業の基本です。サポートしてくれる力が多ければ多いほど、もっと苦境の人をいたわることができます。より多くの人に信用してもらい、人間菩薩の隊伍に招き入れましょう」とおっしゃいました。
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