慈濟傳播人文志業基金會
未来は現在の積み重ね
福を積み、良縁を結ぶなど
無私の愛は日頃から培うものです。
 

菩薩の心は宇宙をも包み込む

 
七月、台風九号と十号が立て続けに台湾に接近し、南部に被害をもたらした。中でも屏東県の一部では三日間も冠水し、慈済ボランティアは軍の装甲車に乗って千食分以上の手作り弁当を深く冠水した地域に届けた。
 
證厳法師はボランティア朝会で、台風が来る前は警戒すると共に敬虔に心を戒め、無事に過ぎた後は敬虔に感謝すべきだと開示した。
 
南部の近隣都市の慈済ボランティアは台風が過ぎた後、連絡を取り合って関心を寄せ、力を集結して奉仕した。晨語で「菩薩は地から湧き出る」という話があったが、それは心の底から誠意のある愛が湧き出ると言う意味で、自発的に家から出て苦難に喘ぐ人々を助けることである。「そういう無私の愛は日頃から培う必要があります。良い縁を結ぶと共に福は積み重ねなければなりません」
 
法師は愛のエネルギーが途絶えることなく広がり、持続することを期待している。「菩薩の心は宇宙をも包み込むほど広く、仏法で以て衆生と良縁を結ぶべきです。それはこちらが人々を受け入れるだけでなく、彼らの心に私たちがあるようになることです。これが愛の伝承というものです」
 
文‧
 

地球と共存

 
夏の気温があまりにも高く、欧米各地で森林火災が発生し、バルカン半島諸国では連日、四十度を超えた。二日のボランティア朝会で法師は、「皆、冷房の効いた屋内に留まり、外に向って排出される熱気が室外の温度をさらに上げています。それは竃のような異常気象で、人類の存在を脅かしています」と溜息まじりに言った。
 
「異常気象は耐えられなくなるほどひどくなっています。この地上に生活している限り、地球と共存しなければなりません。少し我慢し、節約すれば、資源を共に分かち合うことができ、地球の負荷を減らすことができるのです。製造業は自業自得で、このまま目先の豊かさだけを追求していけば、将来、必然的にその報いを受けることになるでしょう」
 
昔の人は苦労を厭わず励み、日常生活の中で心身の忍耐力を鍛え、潜在能力を発揮すると共に良能を奉仕してきた。
 

非常時の安全な道案内

 
四大志業体の責任者たちは志策会議の中で、情報系統の重要性を報告した。法師は志業の発展には時代と足並みを揃え、遅れてはならないことに同意するが、清らかな仏性を護り通すことを忘れてはならない、と言った。科学技術や知識に重点が偏り、道徳と智慧を置き忘れれば、この世の秩序は乱れてしまうからである。
 
教育は家庭と社会、国家の希望であり、幼稚園から大学や大学院まで、大樹を育てるように、種から苗へと始まり、倫理道徳の基本が固まるのである。
 
人文志業も伝播する功能を発揮し、正しい報道と人心の教育に努めるべきである。骨髄移植のように健全な人文の精髄を人々の心に移植し、その「造血」作用によって人文精神を発揚させるのである。
 
人文志業が気候の変化や災害発生の時に、大衆にライブで情報を届け、誰もが警戒心を持つようになるよう法師は期待している。また、災害調査や支援する慈済ボランティアが災害や道路の状況を把握し、「非常時における安全な道案内」になることを望んでいる。
(慈済月刊六一一期より)
NO.252