慈濟傳播人文志業基金會
善と愛こそが妙法である
心が乱れると、社会にも災難をもたらしかねない 
 
環境保全をして「リサイクル」されたのはその人生でした
 
ある男性が、日頃タバコや酒や檳榔に浸って仕事をしないくせに悪事ばかり働き、家に帰れば妻や子供にさんざん暴力をふるい、挙句の果て脳卒中で倒れて、とうとう家族にも見放されてしまいました。
慈済ボランティアは、その男性を訪問ケアの対象として生活支援を行ったり、環境保全ステーションへ導いたりしていました。時間を経て今の彼は、間違った行いや考え方、そしていろいろな悪い習慣をしっかり改めました。彼は自ら上人に「慈済が私を「リサイクル」して、人生を新たにしてくれたのです」と心から感謝しました。
台中市環境保全局の陳宏益副局長と談話しました。證厳法師は、「慈済が環境保全を働きかけたのは、地球を浄化しなければならないのみならず、人の心も清らかにしなければならないからです。『悪い習慣を正しい方向に導き、改めれば、心身とも穏やかに精進できるようになる』と考えられたからです」と言われました。
「環境保全は、まず自分自身と家庭から始めるべきです。誰しもこの大地を見守る環境保全のボランティアになれるはずです」
上人は次の例を挙げました。屏東の慈済ボランティアが市役所と共に夜間の資源回収に取り組むようになってから、ゴミの量が大幅に減ったことが分かりました。ですから、「政府が民間と手を組んで行えば、よりよく住民を率いることができ、資源回収という理念が生活にしっかりと根づくでしょう」
 
一念が変われば黒も白に変わる
 
ボランティアの蔡天勝さんは更生途上の人を伴って精舎を訪れました。話は麻薬に手を染める青少年が増えたことに及び、上人は、「善と悪とはただの一念の差だけです。ちょっとでも偏っていただけで悪になってしまうのですが、それを善のほうに引き戻すのは、そう簡単ではありません」と心配そうに嘆息しておられました。
麻薬は心身ともに害が極めて大きく、しかもその後遺症が一生涯残ることもあるのです。上人は蔡天勝さんが青少年の麻薬からの更生に尽力したことを評価なさいました。
以前、麻薬を断ち切った人が麻薬中毒の友人を助けようと手を差し伸べたら、それが逆に自分がまたその泥沼にはまりこんでしまいました。「麻薬常用者は、自分の行動と気持ちのコントロールができないため、補導する際には十分気をつけるように」「自ら警戒心を高めて身の安全を確保した上で、愛の心で麻薬中毒者を尊重し、薬から離れる手伝いをするよう努めましょう」と上人は繰り返し話されました。
かつて蔡天勝さん自身、麻薬の誘惑に負けて刑務所への出入りを繰り返しました。彼は、刑務所で慈済の月刊誌に出合ってから一念発起し、仏法を勉強して心を浄めようと決意を固めました。刑務所を出ると、自ら慈済と連絡を取り、以来十一年が経ちました。彼としては、自分の人生がどん底から救われたからこそ、堪え難い状況に立たされても志を固く守りました。また度々身を以て体験したことを刑務所で語り、麻薬常用者を導くように努めました。彼の話に激励されて、社会に復帰した人は数多くいるようです。徹底的に心を入れ換えて、ボランティアとして麻薬常用者を正道へと引き戻す蔡さんの姿を上人は称賛なさいました。「一念の思いが変われば、人生を歩む道もまた転換できるのです。決意を固めれば、やり遂げられないことはありません」
受刑者の育った環境や犯罪に手を染めた原因はさまざまです。上人はおっしゃいました。「罪を犯すのは、たいてい心が無明にに覆われた状態の時であり、そしてその無明が絶えず氾濫し知性の働きを防げ、ついに大罪を犯すに至るのです。心を調伏しないと、社会にも災難をもたらすのです。仏法をしっかりと心に留め、一念の思いが変われば人生の方向も変わります。それから衆生のためになることを実践していきましょう」
「『愛』と『善』は、種族や国籍や宗教を越える『大妙法』であり、また世の中で共通の道理でもあるのです。仏法の清らかな水が衆生の心を潤わせ、世の中に広めるようボランティアに期待します」と上人は諭されました。「人の心を清めて無意味な煩悩をなくせば、人生には喜びがあり、平和に暮らせるようになるでしょう」
 
善い行ないをくり返す
 
慈済が成立して五十年になりました。ボランティアは献身的に尽くしてきました。社会に平安をもたらすために、人生のどん底に陥った人には、ボランティアが付き添ってそれを乗り越えさせようと努めたり、また苦難に満ちた家庭を少しでもよい方向へ変えるため支援したりしました。「苦難の人に奉仕するにあたって、もっとも大切なのは『仏法を身につける』ことです。たとえ風雨にさらされても勇敢な気持ちで精進を続けていく。慈済人としてすべきことを常にやり遂げるように守りましょう」
全ての生きとし生けるものは、仏になることができます。上人は「『常不軽菩薩』を見習い、目の前の人に尊厳を見出し、菩薩のようになって尊重しましょう」とみんなに教えられました。「感謝の心で、愛を以て人を尊重する。これを実践していってこそ無数の仏を供養することです」  
 
(慈済月刊五九六期より)
NO.237