二〇一六年八月、慈済人文学校の先生が、農場で飼育している動物を屠殺するところを映したビデオ映像を見せてくれました。僕は、動物がかわいそうだと思いました。その動物は僕たちに何も悪いことをしていないのに、殺して食べてしまうなんて。そんなことをしないで、動物たちを愛さなければならないと思います。
それから一週間の後、「静思堂」で済厚師伯(師伯…年配の男性ボランティアに対する呼称)が「経蔵演繹(経蔵劇を演じる)」に参加するため自ら願を立てて、百八日間菜食した経験を語るのを聞きました。僕はそういうことなら自分にもできると思い、家に帰ると、「百八日間菜食をしてみる」と母に伝えました。人間が菜食をすれば動物は死なずにすむとの単純に考えたからです。
母と妹は僕の考えに賛成してくれ、翌日のお弁当からおかずが変わりました。
地球を愛し好き嫌いをなくそう
僕は今十一歳です。慈済人文学校に入学する前には、食べ物の好き嫌いがとても激しく、手がかかる子でした。鶏肉が嫌いで、一番嫌いなのが野菜です。母が取ってくれた野菜は、必ずいちいち取り除いて、食べないことにしていたのです。
でも、今の僕は、あらゆる野菜を残さず食べるようになりました。師公(子供から證厳法師への尊称)のお諭しのように、「食べ物を大切にして環境保全に力を尽くそう」と思いました。地球と動物を保護すべきです。僕は、師公のお諭しが正しいと思っています。だって、もし動物が全部殺されてしまったら、この世に動物がいなくなってしまうではありませんか。
菜食を始めて一カ月になると、僕は、何だか疲れて時々眠くなると感じました。妹も僕に肉食をするよう勧めましたが、僕は心を動かさなかったのです。昨年の十二月二十二日が百八日目でしたが、僕は菜食を続けました。
菜食を始めてから身体が以前と違うようになりました。だんだん病気もしなくなって丈夫になり、まともな考えもできるようになったような気がしました。以前の僕は気が荒く、おもちゃをやたらに買い求めたり、母にあらあらしく振る舞ったりしていましたが、去年人文学校に通い始めてからは、すべての悪い習慣を改めたのです。おもちゃを買う時には、ちゃんと考えてから買う。そして、物を大切に扱い、環境保全の重要さや地球を護ることを知りました。
僕が通っている小学校の給食には肉類が含まれていたので、母は僕と妹のために毎日菜食の弁当を作り始めました。最初のうち友達の僑峰君が不思議そうに聞いてきたので、「人類が肉を食べるから動物がどんどん殺されてしまう。僕たちは動物を殺してはいけないと思う。それに菜食をした方が健康だよ。だから僕は百八日間菜食を実行すると決めたんだ」と言いました。
僕の話を聞いた僑峰君は、「君のお母さんが作ったお弁当は美味しそうだね。僕にも作ってもらえるかなあ」と言いました。彼が僕と同じく菜食をしたいと言うのを聞いて嬉しくなり、家へ帰るとすぐ「僑峰君にも弁当を作ってあげてね」と母にお願いしました。母は、「友達にどんどん勧めてきてね。母さんは喜んで菜食弁当を用意してあげるよ」と言ってくれました。現在、僑峰君も僕と一緒に百八日間の菜食を実行しています。
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毎月の第2、第3日曜日はマレーシア·ペナンの慈済人文学校の授業がある日です。両親と共に銘軒兄妹は楽しい時間を過ごしました。 |
師公のお諭しを心して聞こう
僕は小さい時からマレーシア‧ペナンの国際学校で英語教育を受けています。それなので、中国語をすらすらとしゃべったり書いたりすることができません。でも、大愛テレビで「人間菩提」と「證厳法師が語るおはなし」という師公の番組を毎日見ていました。
そのおかげで一カ月で僕は中国語のコミュニケーション能力が進歩しました。まだ流暢とは言えませんが、師公のお諭しの内容が分かります。「よく心してください」というお言葉がとくに好きです。僕は、師公のお考えについていきたいので、師公のお諭しを心してよく聞かなければなりません。
人文学校に通うようになってから、僕は物事をポジティブに考えるようになり、毎日家族と一緒に楽しく過ごせることを願っています。
将来、僕はコックになり、みんなに美味しい菜食をたくさん作ってあげたいです。
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お昼に友達の許僑峰(右)と銘軒のお母さんが作った弁当を一緒に食べます。「もっと友達に菜食を勧めたい」と銘軒は言いました。 |
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